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泉橋寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

せんきょうじ/泉橋寺

京都府木津川市山城町上狛西下。玉竜山。泉橋院ともいう。通称、橋寺。京都教区№四〇七。天平一二年(七四〇、一説に天平一三年)、行基が木津川(泉河)に架橋した際、建立された。行基開創四十九院の一つとして名高く、幾度か天皇の臨幸を蒙った。また寛治五年(一〇九一)には御願寺となっている。交通の要衝でもあることから、治承の内乱や徳政一揆、応仁の乱などの戦火でたびたび荒廃した。鎌倉時代以降、長らく真言律宗寺院だったが、寛永二年(一六二五)、浄土宗寺院となる。なお境内には一四世紀前半の石造五輪塔(国重要文化財)と鎌倉末期の石造地蔵菩薩坐像がある。


【資料】『類聚三代格』一六、『行基年譜』(井上薫編『行基事典』国書刊行会、一九九七)、『大乗院日記目録』三


【参考】『京都府相楽郡誌』(京都府教育会相楽郡部会、一九二〇)、『山城町史—史料編—』(山城町役場、一九九〇)


【執筆者:加藤弘孝】