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星祭

提供: 新纂浄土宗大辞典

ほしまつり/星祭

除災求福のために星を供養すること。星供・星供養とも。星は人の運命を支配するという考えに基づき、密教において行われる。個人の招福には生まれ年に応じて北斗七星(貪狼とんろう巨門きょもん禄存ろくぞん文曲ぶんきょく廉貞れんてい武曲ぶきょく破軍はぐん)の一つを充てた本命星を供養する本命星供ほんみょうしょうくや、九曜くよう(日・月・火・水・木・金・土・羅睺らごう計都けいと)を充てた当年属星を供養する当年星供を行う。天災に対しては北斗七星の全てを供養する北斗供や、北極星の神格化である妙見菩薩供養する尊星供・妙見菩薩供などを行う。星に対する信仰はインドや中国に古来存在し、それが密教に導入されたもの。日本では平安期より行われ、朝廷の元旦四方拝へも取り入れられた。現在は冬至・正月・春の節分に多く執り行われる。なお、七夕の祭り星祭と称することもある。


【資料】『熾盛光大威徳消災吉祥陀羅尼経』(正蔵一九)、『四十帖決』九(正蔵七五)、『阿娑縛抄』一四三(仏全四〇)


【執筆者:春近敬】