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早来迎

提供: 新纂浄土宗大辞典

はやらいこう/早来迎

仏・菩薩が迅速なスピード感をもって来迎する様を早来迎というが、通常は、知恩院が所蔵する阿弥陀二十五菩薩来迎図(国宝、鎌倉時代、絹本著色)の通称として用いられる。本図において、悉皆金色で表された仏・菩薩は、飛雲に乗って画面左上から右下の往生人へと急降下し、先頭の観音菩薩は、今まさに往生人を納めとるために蓮台を差し出している。往生人の前に並べられた『法華経』と思しき経巻虚空に出現した七宝宮殿化仏は、本図が上品上生来迎図であることを示している。桜が咲き乱れる美しい自然風景の中にダイナミックな来迎の場面を表現した鎌倉時代の来迎図を代表する傑作である。


【参照項目】➡阿弥陀来迎図阿弥陀二十五菩薩来迎図


【執筆者:若麻績敏隆】