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方違い

提供: 新纂浄土宗大辞典

かたたがい/方違い

平安時代以降、陰陽道おんみょうどうに基づき行われた慣習で、天を遊行する神々の運行によって生じる、方位に関するみを避ける行為。「方違え」ともいう。星に関連付けられた神(主なものとして天一てんいち太白たいはく大将軍だいしょうぐん金神こんじん王相おうそう)がそれぞれの周期で移動し滞在するが、これらの神が滞在する方位には「方塞かたふさがり」という一時的な忌みがかかる。神により課せられる禁忌はそれぞれであるが、代表的なものは、これらの神々が滞在する方位に外出することを忌むことである。この場合には、忌みを避けるために前の晩に一旦別の方角に移動してから目的地へと向かった。また大将軍、金神、王相という神の場合には、これらが滞在する方位の土を掘ったり建物の造作や修繕をすることが禁じられていた。この場合には、一泊以上他所で宿泊することにより忌みを避け工事を行った。


【参考】ベルナール・フランク著/斎藤広信訳『方忌みと方違え—平安時代の方角禁忌に関する研究—』(岩波書店、一九八九)


【参照項目】➡陰陽道忌み


【執筆者:名和清隆】