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戒牒

提供: 新纂浄土宗大辞典

かいちょう/戒牒

授戒会の伝巻をいう。もとは、受戒したときに、公験くげんが授けられ、度牒とともに僧尼の身分証明書でもあった。浄土宗では宗徒得度式檀信徒剃度式で授与される度牒、あるいは、伝宗伝戒道場における円頓戒相承のしるしである伝巻(戒脈)を指す。授戒会の伝巻は「戒牒」と上書きがあり、その下に二文字の戒名が記してある。その内容は、三聚浄戒三世諸仏が説き三世菩薩が学する根源であり、釈尊成道以来この戒をもって五乗を教化してきたことを述べる本文と、今授与する仏子の印信として、年月日と伝戒師の署名花押・香炉印等が記されている。五重相伝における贈五重おくりごじゅうの伝巻のように、授戒会に際しても追善菩提のために授与する伝巻を贈戒牒といい、これを贈授戒と称している。


【参照項目】➡度牒授戒会贈五重


【執筆者:清水秀浩】