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成仏寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうぶつじ/成仏寺

横浜市神奈川区神奈川本町。正覚法雨院。神奈川教区№一六。鎌倉時代後期の永仁年間(一二九三—一二九九)に覚心法灯禅師円明国師)によって、真言・禅・律・浄土の四宗兼学の寺院として開創された。室町初期に師岡熊野権現が勅願所とされ、その運営補佐の筆頭に選ばれ、また慶長年間(一五九六—一六一五)には徳川家康から朱印地一〇石と三町歩の境内地の寄進を受けている。改宗の年時には諸説あるが江戸初期頃であり、改宗の初祖は本誉吞無とされる。江戸期を通じて、知恩院末の触頭ふれがしら寺院であった。幕末には外国人宣教師の宿舎ともなり、ヘボンやブラウンなどが仮寓した。


【資料】『浄土宗寺院由緒書』下(『増上寺史料集』七)、『新篇武蔵風土記稿』七〇


【参考】宇高良哲「浄土宗の触頭制度について」(『法然浄土教の綜合的研究』山喜房仏書林、一九八四)、『平成版浄土宗神奈川教区寺院誌』(神奈川教区教務所、二〇〇九)


【執筆者:沼倉雄人】