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広中説略

提供: 新纂浄土宗大辞典

こうちゅうせつりゃく/広中説略

広い範囲の事柄を、簡略に説くことで、仏の説法のあり方の一つとされる。略中説広の対(『北本涅槃経正蔵一二・五六四上、『南本涅槃経正蔵一二・八一〇下)で、大乗の『涅槃経』に見出せる言葉。『涅槃経』では、広中説略とは、例えば十二因縁を説くにあたって、その一々を説明せずに、十二因縁とは因果であると説くこととする。また略中説広とはその逆であり、例えば苦集滅道、つまり四諦を説示するにあたり、苦・集・滅・道のそれぞれを一々説明することとする。


【執筆者:石田一裕】