操作

常に仰せられける御詞

提供: 新纂浄土宗大辞典

つねにおおせられけるおことば/常に仰せられける御詞

法然の常の教えをまとめたもの。『昭法全』所収の「つねに仰せられける御詞」二七条のものとは別物であり、『昭法全』の編者である石井教道が様々な文献をもとに、法然が常に語っていた詞を集め編集したもので、全一〇条からなる。第一は『四巻伝』三からのもので、法然が人に向かって称える経文が「仏、阿難に告げたまわく…無量寿仏の名を持せよとなり」(聖典一・三一四/浄全一・五一)であったことを説いたもの。第二から第四は『九巻伝』からのもので、第二は第一と同じ内容。第三は聖光法然のもとで八年間学んだことを説いたもの。第四は空阿弥陀仏について説いたもの。第五・第六は『四十八巻伝』からのもので、第五は往生について、第六は遊蓮房との出会いについて説いたもの。第七は『閑亭後世かんていごせ物語』からのもので、往生における罪と一念・多念について説いたもの。第八は『西宗要』からのもので、法然が自分自身の無知について説いたもの。第九は『念仏名義集』からのもので、三心について説いたもの。第一〇は『選択要決』からのもので武士と上人について説いたものである。


【所収】聖典六、昭法全、法伝全


【参照項目】➡つねに仰せられける御詞


【執筆者:長尾隆寛】