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嵯峨清凉寺縁起

提供: 新纂浄土宗大辞典

さがせいりょうじえんぎ/嵯峨清凉寺縁起

六巻。京都の嵯峨清凉寺本尊釈迦如来(いわゆる赤栴檀瑞像〔国宝〕)と清凉寺との縁起を和文で綴り、絵をそえた六軸の絵巻物。清凉寺蔵の国重要文化財。永正一二年(一五一五)の撰、絵は狩野元信、詞書は青蓮院尊応法親王の筆と伝える。第一・二巻には八相成道釈迦仏伝を記し、第三巻にインドにおける抜嗟ばつさ優塡うてん王の栴檀瑞像造立の縁起を説き、さらに弗舎密多ほつしゃみった王の破仏に際し鳩摩羅炎くまらえんがこの瑞像を亀茲きじ国に移したことを述べ、第四巻に瑞像が中国にもたらされて以来の中国における移動の歴史を述べ、第五巻に瑞像の日本将来から清凉寺建立の次第を説き、第六巻に日本における瑞像の霊験利生の数例をあげて本像を礼賛している。


【参考】『国華』一一六(一八九九)、一七一(一九〇四)


【参照項目】➡清凉寺


【執筆者:宇高良哲】