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客塵煩悩

提供: 新纂浄土宗大辞典

きゃくじんぼんのう/客塵煩悩

偶発的な汚れ。心を外から汚す煩悩のこと。Ⓢāgantuka kleśa。煩悩がもともと心に備わるものではないという考えから「客塵煩悩」と呼ばれる。『究竟一乗宝性論』では「一切煩悩は客塵にして、自性清浄心は根本なり」(正蔵三一・八三三上)といい、すべての煩悩は偶発的なものであり、心の本性は清浄であるとする。これは本来清浄である心が客塵煩悩によって汚されているという考えであり、如来蔵の教理の骨格をなすものである。


【執筆者:石田一裕】