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宗教法人令

提供: 新纂浄土宗大辞典

しゅうきょうほうじんれい/宗教法人令

本令は、昭和二〇年(一九四五)一二月二八日に勅令第七一九号で公布・即日施行され、同二六年四月三日法律第一二六号で廃止された。第二次世界大戦後、昭和二〇年一〇月四日に連合国最高司令部の覚書によって廃止を命じられた宗教団体法を前身とする。いわゆるポツダム勅令であり、宗教団体法の廃止に伴う混乱を防ぐ目的で、宗教団体の財産保全のための善後措置として応急的に制定され、当初から平和条約の発効と同時に廃止されるものと予定されていた。宗教団体法が宗教法人の設立に関して所轄庁の認可を要する認可主義を取っていたことに対し、本令は、準則主義・登記主義を採用して、規則を作成し設立の登記をすれば宗教法人が設立し、所轄庁へは宗教法人の設立後に届出をすることで足りるとしたことにより、宗教法人の設立の手続きを容易にした点に特徴がある。所轄庁の宗教法人に対する監督の規制はほとんどなかった。そのため、法人格を悪用・濫用する事例が目立つようになり、宗教法人法の制定へと繫がった。


【参考】文化庁文化部宗務課監修『宗教関係法令集』一(第一法規出版、一九六二)、宗教法人法令研究会編『宗教法人関係質疑応答集』(同、一九七七)、渡部蓊『最新 逐条解説 宗教法人法』(ぎょうせい、二〇〇一)


【参照項目】➡宗教法人法


【執筆者:笠原慎一】