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安蓮

提供: 新纂浄土宗大辞典

あんれん/安蓮

生没年不明。元久元年(一二〇四)の『七箇条制誡』に署名があることから一三世紀初め頃の人で、法然門弟であったことがわかる。『漢語灯録』所収の『七箇条制誡』では、「如願房」の註記(昭法全七九一)があり、静見撰『法水分流記』は「如願」と註記する。「如願」は、『尊卑分脈』には、佐貫秀宗息秀能(獄執行官人)の承久の乱(一二二一)の後の出家法名(『尊卑分脈』二・四〇八)とあり、またこの秀能は、『四十八巻伝』では安楽住蓮の処刑人「官人秀能」としてその名が記される(聖典六・五三七/法伝全二二四)。『七箇条制誡』署名の「安蓮」を秀能(法名如願)に比定する場合は、『七箇条制誡』が元久元年(一二〇四)であり、秀能の出家が承久の乱後(一二二一)であることから慎重を要する。


【資料】浄土宗総合研究所編『黒谷上人語灯録写真集成一—善照寺本古本漢語灯録』三九九(浄土宗、二〇一一)


【参考】野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』二八(青史出版、二〇〇四)、中野正明『増補改訂 法然遺文の基礎的研究』(法蔵館、二〇一〇)


【執筆者:米澤実江子】