操作

回向発願心の四句

提供: 新纂浄土宗大辞典

えこうほつがんしんのしく/回向発願心の四句

聖光が『授手印』において、三心を具える上での理想像について四つの例を用いて論じた「四句分別」の中、回向発願心に関するもの。『授手印』には二つの四句分別があり、「①有願無行(宗の意に非ず。)無願有行(宗の意に非ず。)有願有行(これ浄土宗の心なり。)無願無行(宗の心に非ず世間の心なり。)②西方回願(これは浄土宗の本意、念仏行者の願なり。)余事回願(これ宗の心に非ず。もしくは寿命長遠を願い、もしくは福を願う、人人の所望、各別なり。)西方余事回願(これは半ば宗の心、半ば宗の心に非ず、また往生を得んとこれを願い、また所望を得んとこれを願う。)非西方回願非余事回願(これ世俗の輩なり。)」(聖典五・二三五)というもので、余事をまじえずに西方極楽浄土への往生を願って念仏行を修することが理想の念仏者像であるとしている。


【参考】阿川文正「『末代念仏授手印』解題」(聖典五)


【参照項目】➡至誠心の四句深心の四句心行の四句回向発願心


【執筆者:郡嶋昭示】