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四乗

提供: 新纂浄土宗大辞典

しじょう/四乗

仏の教えを乗り物にたとえ四つに分類したもの。①声聞乗・縁覚乗・菩薩乗・仏乗の四。『法華経譬喩品に説かれる羊車・鹿車・牛車・大白牛車の喩えを、法雲が『法華経義記』において声聞乗・縁覚乗・菩薩乗・仏乗であると解釈したのが最初とされ、智顗、法蔵などがこれを継承している。法然は『選択集』でこの四乗聖道門として括り(聖典三・一〇〇/昭法全三一二)、『往生大要抄』などでは声聞乗と縁覚乗が小乗、菩薩乗と仏乗が大乗であると分類している(聖典四・三〇〇~一/昭法全四七~九)。これら四乗聖道門であって末法の我らの身に堪えるものではないというのが法然の立場。②一乗・三乗・小乗・人天乗の四、または声聞乗・縁覚乗・菩薩乗・人天乗の四(『華厳五教章』一、正蔵四五・四七九下)。


【資料】凝然『五教章通路記』


【参照項目】➡声聞縁覚菩薩


【執筆者:市川定敬】