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和訳六時礼讃

提供: 新纂浄土宗大辞典

わやくろくじらいさん/和訳六時礼讃

大木惇夫おおきあつお訳。昭和三六年(一九六一)三月、和訳六時礼讃刊行会刊。善導の『往生礼讃』をわかりやすく訳詩したもの。上段に総ルビの和文、下段に対応する漢文を掲載している。すべての人に理解される言葉で仏教を教えるべきであるとして「和語仏教」を提唱していた椎尾弁匡は、宗祖七五〇年御忌法楽のために和語礼讃を企画、訳を大木に委嘱することとなった。大木の訳詩の一部を平井澄子(一九一三—二〇〇二)が編曲し、昭和三六年三月、知恩院での宗祖七五〇年大遠忌増上寺法主式衆によって和訳三尊礼日中礼讃)が初演された。以後、増上寺では御忌大会などで唱えている。訳者の大木惇夫(一八九五—一九七七)は北原白秋に師事した詩人・作詞家。詩集『風・光・木の葉』、作品に「戦友別盃べっぱいの歌」「国境の町」、合唱曲「大地讃頌さんしょう」(カンタータ「土の歌」より)、仏教讃歌「世を明るく」(団伊玖磨作曲)、淑徳短期大学校歌などがある。平成二〇年(二〇〇八)三月、復刻版刊行(『和訳六時礼讃 復刻版』全国浄土宗青年会刊)。


【参照項目】➡往生礼讃


【執筆者:西城宗隆】