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勧誡師

提供: 新纂浄土宗大辞典

かんかいし/勧誡師

浄土宗檀信徒に対する二大法要である五重相伝会・授戒会の受者に、分かりやすくその精神を解説する役職。勧は善をすすめ、誡は悪を誡めるという意。五重相伝会においては伝灯師による「正伝法」の作法を通して受者に浄土宗の教えが伝えられ、授戒会においては伝戒師による「正授戒」の作法を通して受者に釈尊より代々伝わってきた戒が伝えられる。その正伝法の前に五日間程度、正授戒の前に三日間程度、五重相伝会については五重伝書とそれぞれの伝灯分(釈尊法然聖光良忠曇鸞の略伝)を、授戒会については『十二門戒儀』を、それぞれ受者に分かりやすく説いてゆく。そして、念仏信仰の中に生涯を全うし、往生浄土の素懐を遂げ、念仏を申す仏教徒として、明るくたくましく生きてゆく道に受者をして生まれかわらしめる道をすすめるのが勧誡師の役割である。


【参照項目】➡五重相伝授戒会


【執筆者:正村瑛明】