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八宗

提供: 新纂浄土宗大辞典

はっしゅう/八宗

日本における古代中世の仏教諸宗の総称。仏教伝来から奈良時代末期までに、日本に伝えられた三論・成実・俱舎・華厳・法相・律の南都六宗に、平安時代初期に最澄が伝えた天台宗空海が伝えた真言宗の二宗を加える。奈良時代の「宗」は教団というよりも学派の意味が強く、一つの寺に複数の宗が存在していたが、平安時代からは一寺一宗の傾向が強まった。中世には、八宗は国家を支える仏教の体制理念とみなされた。中世においては、浄土または禅を加えて九宗、また両方を合わせて十宗とも称した。凝然の『八宗綱要』には、俱舎宗・成実宗・律宗法相宗三論宗天台宗華厳宗真言宗八宗の解説に加えて、最後に禅宗浄土宗を簡潔に紹介している。


【資料】凝然『八宗綱要』(仏全三)


【参照項目】➡南都六宗


【執筆者:西村玲】