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優曇華

提供: 新纂浄土宗大辞典

うどんげ/優曇華

優曇は樹木の意で、そこに咲く花をいう。Ⓢudumbara-puṣpa。また瑞応、霊瑞華と漢訳され、優曇鉢華、優曇鉢羅華などとも訳される。Ⓢudumbaraは学術名Ficus Glomerata、クワ科イチジク属の植物をさすとされる。仏典においては、優曇に花が咲くことがまれと信じられていたことから、よく希有の比喩として用いられる。例えば『無量寿経』には「無量億劫にも、い難く見難し。なお霊瑞華の、時時ときあってすなわち出づるがごとし」(聖典一・二一八/浄全一・四)や「優曇盋華うどばけのごとし。希有にして遇い難きが故に」(聖典一・二五九/浄全一・二三)とあり、見難いこと、遇い難いことを優曇華にたとえて表現している。


【執筆者:石田一裕】