操作

仮名人

提供: 新纂浄土宗大辞典

けみょうにん/仮名人

仮に人と名づけられるもの。仮名とはⓈprajñaptiの訳で、仮に名づけることの意。仮設けせつ、仮説、施設せせつなどとも訳される。第一義(真実の道理)からすれば人間は五蘊ごうんが仮に和合したものであり、実体としての存在ではないから仮名人という。曇鸞は『往生論註』上において願生の義を釈して、「この間の仮名の人の中に於いて五念門を修するに、前念は後念のために因となる。穢土の仮名の人と浄土の仮名の人と、決定して一なることを得ず、決定して異なることを得ず。前心後心も亦復是の如し」(浄全一・二二一中正蔵四〇・八二七中)と説き、中観思想に基づき、念相続の上に因縁往生が成り立つことを説き明かしている。


【参照項目】➡


【執筆者:梶原隆浄】