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了実

提供: 新纂浄土宗大辞典

りょうじつ/了実

嘉元元年(一三〇三)—至徳三年(一三八六)一一月三日。盛蓮社成阿。浄土宗六祖。瓜連うりづら常福寺開山。出自は不明。常陸国太田法然寺蓮勝のもとで出家。元徳二年(一三三〇)六月二九日に蓮勝から附法の璽書を授かった。さらに了実は鎌倉光明寺定慧からも宗脈と璽書を授かっている。了実蓮勝から附法後、延文三年(一三五八)に近在の太田城主佐竹義篤の帰依を得て、瓜連常福寺を建立。常福寺は佐竹氏の祈願所となり発展した。了実は永和四年(一三七八)一一月四日に弟子聖冏に附法の璽書を授けており、常福寺も隠退したものと考えられる。至徳三年一一月三日に入寂。了実に特筆すべき業績はないが、関東浄土宗寺院の中心となる常福寺開山したことや、後継者として浄土宗七祖聖冏を育成したことが、浄土宗六祖とされた理由であろう。


【資料】『総系譜』中


【参考】宇高良哲編『関東浄土宗檀林古文書選』(東洋文化出版、一九八二)、玉山成元「中世における浄土宗の展開」(正大紀要五〇、一九六五)


【執筆者:宇高良哲】