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九体阿弥陀堂

提供: 新纂浄土宗大辞典

くたいあみだどう/九体阿弥陀堂

阿弥陀堂一形式で、九体の阿弥陀仏を安置する堂のこと。平安時代の浄土教の隆盛に伴い九体阿弥陀堂の建立も盛んとなり、藤原道長による無量寿院阿弥陀堂など二十数棟の存在が文献から知られる。しかし現存するのは、京都府木津川市の真言律宗浄瑠璃寺本堂(国宝)が唯一である。これは嘉承二年(一一〇七)頃に建立された建物で、緑豊かな山中に開かれた境内に、池の西側に東面して立地する。この立地は西方極楽の教主・阿弥陀仏をまつる阿弥陀堂に共通してみられるものである。桁行一一間、梁行四間の細長い平面で、柱間ごとに九体の阿弥陀仏を一列に安置する。【図版】巻末付録


【参照項目】➡阿弥陀堂九体阿弥陀


【執筆者:中村琢巳】