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三宝絵詞

提供: 新纂浄土宗大辞典

さんぼうえことば/三宝絵詞

三巻。『三宝絵』ともいう。著者は源為憲みなもとのためのり永観二年(九八四)成立。冷泉天皇第二皇女尊子内親王出家後の信仰生活を深めるために、絵入り仏教入門書として、仏・法・僧の三宝を、説話中心に説いたもの。上巻「仏宝」は仏前生譚、中巻「法宝」は本朝仏法史、下巻「僧宝」は仏教年中行事縁起。『六度集経』『大智度論』『法苑珠林』『諸経要集』などを利用し、本朝の作品では『日本霊異記』ほか国史・僧伝類を参照する。仏教入門書としての性格から広く受容され、後世の文学作品に与えた影響が大きい。


【所収】『東洋文庫』五一三(平凡社、一九九〇)、『新日本古典文学大系』三一(岩波書店、一九九七)


【執筆者:吉原浩人】