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丈六仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうろくぶつ/丈六仏

一丈六尺(約四・八メートル)の大きさの仏像如来の身長は一丈六尺あるとされたことから、仏像はこの大きさで造立することが一つの理想とされた。『観経』では、阿弥陀仏について「あるいは大身を現ずれば虚空の中に満ち、あるいは小身を現ずれば丈六八尺なり」(聖典一・三〇五/浄全一・四六)と説く。ただし丈六仏の多くは坐像であるため、実際は半分の大きさで頭頂部から像底までを八尺とした作例が多い。この数値は微妙に変動があり、平安時代前期までは約二・五メートルが一般的で、平安時代後期以降は約二・八メートルのものが現れる。この他「法丈六ほうじょうろく」とよばれる、像底より髪際はっさいまでの高さを八尺とした少し大きな像や、一般の尺より小さい周尺しゅうしゃくに基づくとされる「周丈六しゅうじょうろく」と呼ばれるものもある。


【執筆者:近藤謙】