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一蓮托生

提供: 新纂浄土宗大辞典

いちれんたくしょう/一蓮托生

臨終の後、共に極楽往生して同じ蓮華に身を托すこと。浄土での再会をあらわす語。転じて、結果にかかわらず行動や運命をともにすることの意で用いられる。『阿弥陀経』には「もろもろの上善人と俱に一処に会することを得ればなり」(聖典一・三一八/浄全一・五三)とある。建永二年(一二〇七)四国に流罪の宣旨が下った法然が名残りを惜しむ九条兼実に対して、会者定離は常であるが、共に念仏することにより極楽浄土で同じ蓮の上において再会できることを明らかにしている。また、兼実との別れの手紙に「露の身はここかしこにて消えぬとも心は同じ花のうてなぞ」と添えられている。


【資料】『御流罪の時門弟に示されける御詞』(昭法全四七六)


【執筆者:藤本淨孝】