浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0342A01: | 空花和歌集凡例 |
Z08_0342A02: | 一上人の詠歌は。あまねく世人を勸誡し給はんの御 |
Z08_0342A03: | 心なれば。その趣を得て見るべし。此註もかの御心 |
Z08_0342A04: | を傳へひろめんが爲なれば。歌の詞を次になして。 |
Z08_0342A05: | まづ一首の大意をしるし。敎誡の處を詮とす。 |
Z08_0342A06: | 一此註は。歌學者の爲にせず。た▲法流を挹る初心の |
Z08_0342A07: | 人の。歌書にうとくして。何の味もなく。看過すべ |
Z08_0342A08: | きがあたらしければ。恐れながら是を注して。信行 |
Z08_0342A09: | 增進の便とす。 |
Z08_0342A10: | 一おほく類歌を引き。たやすき事をも注し侍るは。初 |
Z08_0342A11: | 心の人の參考の爲なり。繁をおそれざるにはあら |
Z08_0342A12: | ず。 |
Z08_0342A13: | 一上人の和歌。繪詞傳。語燈錄に載するところすべて |
Z08_0342A14: | 十九首。これを注す。此外に抄物にしるし。人口に |
Z08_0342A15: | 傳ふる歌もあれど。慥ならぬをばもらし侍る。 |
Z08_0342A16: | 一經釋など引き侍る事は。世の說法者の。直に此本を |
Z08_0342A17: | 取て。講ぜらるべきが爲なり。 |
Z08_0342B01: | 空花和歌集卷上 |
Z08_0342B02: | 洛北隱居 野衲湛澄 註 |
Z08_0342B03: | 黑谷上人繪詞傳云。上人やまと歌を。事とし給はざ |
Z08_0342B04: | れども。我國の風俗に隨て。法門によせては。時〻思 |
Z08_0342B05: | ひをのべられけるにや。或は門弟の中にしるしを |
Z08_0342B06: | けるを申つたへ。或は手づから書き付け給へるを。 |
Z08_0342B07: | 沒後に披露しける。 |
Z08_0342B08: | 頭此抄。瑞夢に任せて空花集となづけ侍る。○法 |
Z08_0342B09: | 然上人の歌は。每首敎誡の心ふかし。よく〱吟 |
Z08_0342B10: | 味すべし。さしも元祖の心をこらして詠じ給へ |
Z08_0342B11: | る歌なるを。何ともなき口ずさびのやうにおも |
Z08_0342B12: | ひあへるは。ゆ〻しきひが事也。繪詞傳。語燈錄に |
Z08_0342B13: | 載る所すべて十九首。此集に記す。四季の歌を卷 |
Z08_0342B14: | 頭にをく事は。代〻の撰集の例なり。此外に抄物 |
Z08_0342B15: | にしるし。人口に傳ふる和歌ありといへども。た |
Z08_0342B16: | しかならぬをば註せず。 |
Z08_0342B17: | ○春 |
Z08_0342B18: | さへられぬひかりもあるをおしなへて |
Z08_0342B19: | へたてかほなるあさかすみかな |