浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0121A01: | 已上大集經ニ云ク。出入ノ息ヲ名ク二壽命ト一。一息不ルヲレ還。卽 |
Z08_0121A02: | 名ク二命終ト一。已上止觀ニ云ク。人ノ命無常ナリ。一息不レハレ追ハ千 |
Z08_0121A03: | 載長ク逝ク。已上潙山禪師ノ警策ニ云ク。念々迅速ナルヿ。一刹 |
Z08_0121A04: | 那ノ間ナリ。轉スレハレ息ヲ卽是レ來生ナリ。何ソ乃晏然トM(シテ)空ク過ンヤ。 |
Z08_0121A05: | 已上小經疏鈔ニ云ク。息煖識ノ三ツ。相持M(シテ)不レ散セ。是ヲ爲ス二 |
Z08_0121A06: | 命根ト一。一ツモ不レハ二連持セ一。命根卽チ斷ツ。已上廣雅ニ云ク。蹉跎ハ |
Z08_0121A07: | 失足也。已上輪は字彙ニ云ク。廻旋也。已上●(五四)爰によ |
Z08_0121A08: | く眼をつくべし。身と神をわけてしるし給へり。そも |
Z08_0121A09: | そも。此身は此世ばかりのかりのやどりにして。畢竟 |
Z08_0121A10: | すたる物なり。此靈は生々にめぐりて佛にもなり。地 |
Z08_0121A11: | 獄にもおちぬべきものなり。しかるを人ごとに。た▲ |
Z08_0121A12: | 此身に愛著して。魂の行末をおもひやらず。爰が凡夫 |
Z08_0121A13: | の心のみじかき迷なり。是をおしゆるが佛法の大意 |
Z08_0121A14: | なり。かまへて大事にて侍るぞ。急度心得たまへ。上 |
Z08_0121A15: | 人ノ云ク。無常の風一たびふきて。有爲の露ながくきえ |
Z08_0121A16: | ぬれば。これを曠野にすて。これをとをき山におくる。 |
Z08_0121A17: | 屍はつゐに苔の下にうづもれ。魂はひとり旅の空に |
Z08_0121A18: | まよふ云云。つちとなり煙となるとは。此身は今にも。一 |
Z08_0121A19: | 筋の息がきるれば。やがてをくりいだしてうづめば。 |
Z08_0121A20: | 野山の土となりてすたり。やけば一むらのけぶりな |
Z08_0121B01: | りてはつるまでなり。○こほりにむせび。ほのほにむ |
Z08_0121B02: | せぶとは。神はいかにしてもくちはてぬものにて。八 |
Z08_0121B03: | 寒地獄におつれば。すさまじき氷にむせび。八熱地獄 |
Z08_0121B04: | におつれば。おそろしき火焰にむせぶなり。後のくゐ |
Z08_0121B05: | とは。後のくやみなり。すでに地獄へおちなば。後悔 |
Z08_0121B06: | すともかひあるまじければ。今かくて息のかよふ中 |
Z08_0121B07: | に。未來の支度をせばやとなり。そのなげきも。とをき |
Z08_0121B08: | 事にはあらず。出入息の間にある後生なれば。た▲い |
Z08_0121B09: | まにも死ねば。やがてそのうきめを見るべし。あ〻か |
Z08_0121B10: | なしきかな。なにとて是ほどに。おどろく心はなきぞ |
Z08_0121B11: | や。法句譬喩經ニ云ク。人死スレハ神ハ去テ。身ハ留ル二墳塚ニ一。智 |
Z08_0121B12: | 者ハ養ヒレ神ヲ。愚者ハ養フレ身ヲ。已上𣵀槃經ニ云ク。見テ二現世ノ |
Z08_0121B13: | 樂ヲ一。不レ見二未來不善ノ苦果ヲ一。已上寒山詩ニ云ク。祇取テ二今 |
Z08_0121B14: | 日ノ美ヲ一。不レ畏レ二來生ノ憂ヲ一。已上祕藏寶鑰ニ云ク。凡夫盲ヒ二 |
Z08_0121B15: | 因果ニ一。但見ル二眼前ノ利ヲ一。何ソ知ン二地獄ノ火ヲ一。已上三敎指 |
Z08_0121B16: | 歸ニ云ク。共ニ忘テ二千劫之蹉跎ヲ一。竝ニ望二一涯ノ貴福ヲ一。已上大 |
Z08_0121B17: | 經ニ云ク。善惡禍福。追レ命〓所ナリレ生スル。或ハ在リ二樂處一。或ハ |
Z08_0121B18: | 入二苦毒一。然M(シテ)後ニ乃チ悔ム𪜈。當二復タ何ソ及フ一。已上●(五五) |
Z08_0121B19: | 一生むなしくすぎて。是ぞとおもふ功德をも修せず。 |
Z08_0121B20: | 念佛すれども。安心がきはまらねば。決定往生の恃も |