浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0094A01: | いふ是なり。願文をわけて。誓と願とをしめすなり。○ |
Z08_0094A02: | かまへてとは。俗に是非ともといふ心なり。○ちかご |
Z08_0094A03: | とは。誓言と書くなり。萬葉に。かこと〻あり○天台梵網ノ疏ニ曰ク。 |
Z08_0094A04: | 菩薩ハ常應下願二-求M(シテ)勝事ヲ一。緣ス中心ヲ善境ニ上。將來因テレ此ニ尅 |
Z08_0094A05: | 遂。若シ不レハレ發セレ願ヲ。求ルレ善ヲ之心難シレ遂。乃至誓ハ是必固 |
Z08_0094A06: | 之心。願中之勇烈ノ意ナリ。已上發隱ニ曰ク。期M(シテ)二其ノ志ヲ一而 |
Z08_0094A07: | 必ス到ル者ハ。願爲二之カ先導一也。堅M(シテ)二其願ヲ一而不ルレ退セ者。 |
Z08_0094A08: | 誓爲二之カ後驅一也。故ニ疏ニ稱M(シテ)レ誓ヲ。爲二願中勇烈ノ意ト一。已上 |
Z08_0094A09: | 法界次第ニ曰。自制スル二其心ヲ一。名テレ之ヲ曰レ誓ト。志二-求ス滿 |
Z08_0094A10: | 足セント一。故ニ云レ願ト也。已上又止觀ニ曰。如キレ許カ二人物ヲ一。若シ |
Z08_0094A11: | 不レハレ分レ券ヲ。物則不レ定ラ。施スニ二衆生ニ善ヲ一。若シ不M(トキ)ハレ要セレ |
Z08_0094A12: | 心ヲ。或ハ恐ハ退悔シナン。加ルニレ之以スレ誓ヲ已上●(一五)此事は |
Z08_0094A13: | 無量壽經にあり。過去久遠劫に。世自在王佛と申す佛。 |
Z08_0094A14: | 出世まします。その時にひとりの國王あり。佛の說法 |
Z08_0094A15: | をき〻て比丘となり給へり。これを法藏と號せり。頌 |
Z08_0094A16: | をときて佛に申て。一切衆生の爲に。淨土の行を修せ |
Z08_0094A17: | んことをもとめ。五劫の間。思惟して諸佛にこえたる |
Z08_0094A18: | 大慈大悲の誓願をおこし給へり。これを四十八願と |
Z08_0094A19: | いふ。その中の第十八は。念佛往生の願なり。その後。兆 |
Z08_0094A20: | 載永劫の修行をつみ。十劫以前に成佛して。極樂淨土 |
Z08_0094A21: | のあるじとなり給ふを。阿彌陀如來と申すなり。○梵 |
Z08_0094B01: | 語には曇摩迦といひ。此には法藏といふ。玄一大經ノ |
Z08_0094B02: | 疏ニ云ク。法藏ト者出家ノ名ナリ。所聞ノ法敎。護持M(シテ)不レ失セ。 |
Z08_0094B03: | 故ニ名二法藏ト一。已上●(一六)總じては一切善惡の凡夫。殊 |
Z08_0094B04: | には愚癡怯弱の下機までも。修しやすき往生の業を |
Z08_0094B05: | さだめんとし給ふ。諸餘の萬行。みなたやすからず。こ |
Z08_0094B06: | れによりて一切衆生をして。行じやすからしめ。あま |
Z08_0094B07: | ねく往生せしめんとあはれみ給ふ。むらなき御慈悲 |
Z08_0094B08: | にて。念佛往生の願をおこし給へり。選擇集ニ云ク。然レハ |
Z08_0094B09: | 則彌陀如來。法藏比丘之昔。被レテレ催二平等ノ慈悲ニ一。普ク |
Z08_0094B10: | 爲レ攝ンカ二於一切ヲ一。不下以二造像起塔等ノ諸行ヲ一。爲中往生ノ |
Z08_0094B11: | 本願ト上。唯以二稱名念佛ノ一行ヲ一。爲シ玉フ二其ノ本願ト一也。已上淨 |
Z08_0094B12: | 土十勝論ニ曰ク。夫レ吾カ彌陀如來。法藏菩薩之古ヘ。住シ二 |
Z08_0094B13: | 極愛一子地ニ一。被レテレ催サ二平等無徧之大慈大悲ニ一。普ク |
Z08_0094B14: | 爲メニレ攝二-益センカ三學分外之一切衆生ヲ一。巧ニ發二-起シ玉フ十念 |
Z08_0094B15: | 往生之別願ヲ一。已上●(一七)御名をとのふるものを。來 |
Z08_0094B16: | 迎し給はんとのねがひなり。●(一八)衆生と〻もに。 |
Z08_0094B17: | 地獄の薪となりて。いつまでも佛にはなり給ふまじ |
Z08_0094B18: | との御ちかひなり。●(一九)さて〱かやうに。御身 |
Z08_0094B19: | にかへておぼしめしけん。御心ざしのかたじけなさ。 |
Z08_0094B20: | あやしのわれらまでも。す▲ろになみだをもよほし |