浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0056A01: | 故ニ。別M(シテ)置テ二深ノ言ヲ一。誡メ二其狐疑ヲ一。立テヽ二眞實信ヲ一。以テ |
Z08_0056A02: | 除ク二猶豫不定之心ヲ一。已上風航鈔ノ釋解ニ云ク。夫レ勸ルヿト二 |
Z08_0056A03: | 信心ヲ一者。佛敎ノ通相也。而ニ三心ノ中ニ。必ス可レ有レ之。第 |
Z08_0056A04: | 一第三ハ心相顯了ナリ。深心之言テ。定應二此心ナル一。是レ相傳義勢也。 |
Z08_0056A05: | 選擇集ニ云ク。當レ知ル。生死之家ニハ以レ疑ヲ爲二所止ト一。𣵀槃ノ |
Z08_0056A06: | 城ニハ以レ信ヲ爲二能入ト一。已上●(三六)是も疏にある事な |
Z08_0056A07: | り。なづけて機法二種の信心といふ。この事は諸敎諸 |
Z08_0056A08: | 師の中に。未曾有の妙釋なり。よく甘心すべし。我身 |
Z08_0056A09: | は罪惡の者なれども。佛の願力にひかれて。往生する |
Z08_0056A10: | と信ずるなり。●(三七)われはこれ。罪をつくり。惡を |
Z08_0056A11: | おこし不善の身なり。無始より六道にまよひめぐり |
Z08_0056A12: | て得脫の緣なしと信ずるなり。○つねに沒するとは。 |
Z08_0056A13: | 久しく三惡道にしづみたりし事なり。○つねに流轉 |
Z08_0056A14: | すとは。いつも六道をめぐりし事なり。●(三八)罪人 |
Z08_0056A15: | なりといへども。佛の願力を緣として。かならず往生 |
Z08_0056A16: | を得んことうたがひもなく。氣つかひもなしと信ず |
Z08_0056A17: | るなり。○うらおもひは。慮の字なり。や〻おもふなり。 |
Z08_0056A18: | さだまらざる心なり。奧義抄匠材集。釋名ニ云ク。慮ハ旅也。旅ハ |
Z08_0056A19: | 衆也。易ニ曰ク。一致ニM(シテ)百慮ナリ。慮及二衆物ニ一。以レ一ヲ定レ |
Z08_0056A20: | 之ヲ也。已上爾雅ノ註ニ云ク。慮ハ謀思也。已上決定往生集ニ |
Z08_0056B01: | 云ク。下劣ノ凡夫。三障雖レ重シト。若シ乘スレハ二願力ニ一。速ニ渡ル二 |
Z08_0056B02: | 生死ヲ一。此卽以テレ信ヲ稱二-念スルヲ佛號ヲ一。名テ爲レ乘也ト。已上● |
Z08_0056B03: | (三九)これ始の信の心なり。●(四〇)これ後の信の |
Z08_0056B04: | 心なり。○うら〱とは。その心にうたがひ〓氣もな |
Z08_0056B05: | く。はれ〲としたるをいふなり。天氣の。のどかには |
Z08_0056B06: | れたるを。うら〱なるそらといふなり。萬葉集に。遲 |
Z08_0056B07: | 遲の二字をうら〱と點ず。うら〱にてれる春日とよめり。菅家の詩 |
Z08_0056B08: | に。二月三月日遲々と有。○又遊仙窟には。虛の字をう |
Z08_0056B09: | ら〱しと點ず。是は心の空虛なる義なり云云。蓮花 |
Z08_0056B10: | 谷の僧都。白拍子の往生を聞てのたまはく。かれらは |
Z08_0056B11: | 心あるものなれば。念佛往生の旨を信じ。こゑよけれ |
Z08_0056B12: | ば。念佛申すまじつらん。うら〱と本願を信ずる人 |
Z08_0056B13: | なり。心さかしきものは。往生不定なり云云。●(四一) |
Z08_0056B14: | 身のゆたかなる時には人の恩もさのみはよろこば |
Z08_0056B15: | ず。かずならぬわび人となりては。心ぼそくかなしく |
Z08_0056B16: | て。何となく世もうらやましきに。あらぬねがひもお |
Z08_0056B17: | こる。そのをりには。いさ〻かのなさけをかけられて |
Z08_0056B18: | も。しみ〲とかたじけなくおもふものなり。○字 |
Z08_0056B19: | 彙ニ云ク。侘傺ハ失フレ志ヲ貌。已上時にあはず。志をうしな |
Z08_0056B20: | ふを侘人といふ。●(四二)機を信ず。●(四三)これ法 |