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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0254A01: 中守平師盛朝臣息大師の深恩を奉酬の爲常に住在の地所毎に
J19_0254A02: 堂閣を建たまひしかば四箇の本山帝都にひらく中に
J19_0254A03: も吉水の禪房には忝くも知恩の勅號を賜り永く勅願
J19_0254A04: 無窮の靈界となれり相つぎて聖光上人は築紫に眞門
J19_0254A05: をひらきて誓海の波を西天にひたし記主禪師は鎌倉
J19_0254A06: に玄要を示して信行の月を東水に浮べ給へり是より
J19_0254A07: 一宗の僧房諸國にみち般舟の蓮社都鄙に起立す然り
J19_0254A08: といへともいつれも勝地絶境を事とせす伽藍子院を
J19_0254A09: 盛とせす偏に弘願の流布を本意とせりされど護法の
J19_0254A10: の善神天地の冥官是を護衞し給へるしるしにや宗風
J19_0254A11: は聲なくして月づきに扇き敎花は言はずして年ねん
J19_0254A12: に匂へり既に六百餘年本末の寺院榮昌繁茂し念佛の
J19_0254A13: 興隆例を異域に絶す想に夫諸宗に最頂を論ぜし山門
J19_0254A14: も三千實相の林深くして十如の觀花匂ひをつつみ眞
J19_0254A15: 宗を南北に奮し興福も五重唯識の空たかくして三性
J19_0254A16: の月光朧なるに似たり今は是末法なり唯淨土の一門
J19_0254A17: 正しく榮運澄洋の時といふべき歟街の童の石をつみ
J19_0254B18: て名號をとなへ里の子の稻を苅手に珠數をつまぐる
J19_0254B19: も豈自然の道化ならずや唯鎭西白旗の一流のみにあ
J19_0254B20: らず西山には四箇六箇を本刹とし城尾三紀等の國國
J19_0254B21: に充滿し名越の二流奧羽に張綱す又遊行の一流に十
J19_0254B22: 二派の分異あり一向宗には東西本願寺佛光寺專修寺
J19_0254B23: 綿織寺等みな悉く大師の恩波に浴せすといふ事なし
J19_0254B24: 唯大師門流の分派のみにあらす大念佛宗眞盛天台宗
J19_0254B25: などいづれも專修念佛に功をたのますといふ事なき
J19_0254B26: の寺院八紘にみちみてり又宗を本名によせ兼を我宗
J19_0254B27: に歸するの精舍甚た多し繁きを省き玆に略す
J19_0254B28:
J19_0254B29: 開山酉譽上人系
J19_0254B30:
J19_0254B31: 人皇五十代恒武天皇 葛原親王 高見王 高望上總介始賜平姓

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