浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0304A01: | 不明。己眼若明。雖獨對聖僧喫飯。又何慊 |
J18_0304A02: | 焉とみつべしそのただ道德を樂欲すること。今人 |
J18_0304A03: | の名利を祈求するにひとしきを。志士重慚愧を生 |
J18_0304A04: | じ。師の地藏尊に祈念せる。その意今人にくらべ |
J18_0304A05: | ていかんと思惟すべし。 |
J18_0304A06: | かくて澆末の弊風。破戒滿州の懸記に應ぜるありさ |
J18_0304A07: | まを見聞して。心志安からず。これによりて護法の |
J18_0304A08: | 志願涌がごとく。律身淸嚴。雪きよく。梅かぐはし |
J18_0304A09: | といふべし。自他の知識に參じ。身心を琢磨し。聖 |
J18_0304A10: | 淨二門の深底を探りて。如來の正法を光顯す。吉水 |
J18_0304A11: | の正風を扶起して。普く群生の救濟せんとちかひ |
J18_0304A12: | て。野鶴孤雲の遊戯するがごとく。法のひかりをか |
J18_0304A13: | かげんと。しらぬ火の筑紫かたにいたり。二祖鎭西 |
J18_0304A14: | 上人の芳跡をとふらひ。吉水正流のもとの心をけが |
J18_0304A15: | さしとねがひ。金光上人の遺蹤にいたりては。光明 |
J18_0304A16: | の餘輝末の世に消ざることを欲し。道情いやまし、 |
J18_0304A17: | に。修行さらに怠ることなし。その頃日向國に。古 |
J18_0304B18: | 月禪師といへる。臨濟家の碩德あり。篤實謹行の |
J18_0304B19: | 聞え高き。明眼の老宿なりけり。師かしこにいたり |
J18_0304B20: | 相見して。佛祖不傳の頥をさぐり。西來直指の活法 |
J18_0304B21: | を會得し。自己密證の眞理を打開せられしかば。禪 |
J18_0304B22: | 師稱歎して。師が所入の深きを許可證明せられけ |
J18_0304B23: | り。一朝茶話のちなみ。禪師語ていはく。長門國。 |
J18_0304B24: | 厚狹郡。妙慶寺の雲説和尚は。淨家の眞善知識にし |
J18_0304B25: | て。念佛弘通の大導師なり。彼は實に地藏菩薩の化 |
J18_0304B26: | 現なり。師何ぞ往て拜せざるやとまうされしゆゑ。 |
J18_0304B27: | それより歸路。長門にいたり。妙慶寺を訪ひ。和尚 |
J18_0304B28: | を拜して。淸益策進せらる。 |
J18_0304B29: | 評云。昔閭丘胤。たまたま豐干禪師にあふ。禪師 |
J18_0304B30: | しめしていはく。國淸寺の寒山。拾得は文殊普賢 |
J18_0304B31: | なり。台州にいたらば相見せよといへり。胤かしこ |
J18_0304B32: | にいたり。二人を禮拜す。二人呵呵大笑云。豐干 |
J18_0304B33: | 饒舌饒舌。彌陀をしらずして。我を禮して何にかせ |
J18_0304B34: | んといひてされりとなん。古月禪師人に向ては。 |