浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0514A01: | げきてちかひていはく。なんぢもしたまを返さずん |
J16_0514A02: | は。うみをくみほさんといふ。海神いででわらひて |
J16_0514A03: | いはく。なんぢはもともをろかなる人かな。そらの |
J16_0514A04: | 日をはおとしもしてん。はやきせをばとどめもして |
J16_0514A05: | ん。うみのみづをはつくすべからすといふ。太子の |
J16_0514A06: | 給はく。恩愛のたへかたきをも。なをとどめんと思 |
J16_0514A07: | ふ生死のつくしがたきをも。なをつくさんと思ふ。 |
J16_0514A08: | いはんやうみの水おほしといふともかぎりあり。も |
J16_0514A09: | しこの世にくみつくさずは。世世をへても。かなら |
J16_0514A10: | すくみつくさんとちかひて。貝のからをとりて。う |
J16_0514A11: | みの水をくむ。ちかひの心まことなるが故に。もろ |
J16_0514A12: | もろの天人ことことくきたりて。あまのはごろもの |
J16_0514A13: | そでにつつみて。鐵圍山のほかにくみをく。太子一 |
J16_0514A14: | 度二度かいのからをもてくみ給に。海水十分が八分 |
J16_0514A15: | はうせぬ。龍王さはぎあはててわがすみかむなしく |
J16_0514A16: | なりなんとすとわびて。たまを返したてまつる。太 |
J16_0514A17: | 子これをとりて都に歸て。もろもろのたからをふら |
J16_0514B18: | して。閻浮提のうちにたからをふらさざるところな |
J16_0514B19: | し。くるしきをしのぎて退せさりしかは。これを精 |
J16_0514B20: | 進波羅蜜といふ。 |
J16_0514B21: | ●波羅奈ハ西域記云舊曰波羅奈訛也新曰波羅痆斯中印度境婆沙云有河名波羅奈去不遠造立王城或翻江遶城亦云鹿苑 |
J16_0514B22: | ●疑退ハ法ヲ疑フテ信ヲ退スルヲ云●波羅奈國ハ |
J16_0514B23: | 天竺ナリ事ハ大論第四第十六ニアリ●鐵圍山ハ須 |
J16_0514B24: | 彌ノ四洲ノ外ヲカコミテ鐵ノ山アルヲ云地理ニ注 |
J16_0514B25: | セリ |
J16_0514B26: | むかしの太子は。萬里のなみをしのぎて。龍王の如 |
J16_0514B27: | 意寳珠を得給へり。いまのわれらは。二河の水火を |
J16_0514B28: | わけて。彌陀本願の寳珠を得たり。かれは龍神のく |
J16_0514B29: | ゐしがためにうばはれ。これは異學異見のためにう |
J16_0514B30: | ばはる。かれは貝のからをもて大海をくみしかば。 |
J16_0514B31: | 六欲四禪の諸天來ておなしくくみき。これは信の手 |
J16_0514B32: | をもて疑謗の難をくまは。六方恒沙の諸佛きたりて |