浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 | 
|---|---|
| J16_0128A01: | ある時。すでに出家の本意をとげ侍ぬ。いまにをき | 
| J16_0128A02: | ては跡を林藪にのがれんとおもふよし。師範の闍梨 | 
| J16_0128A03: | に申されけれは。たとひ隱遁の志ありとも。まづ六 | 
| J16_0128A04: | 十卷をよみてのち。その本意を遂べきよし。闍梨い | 
| J16_0128A05: | さめ給ければ。われ閑居をねがふ事は。ながく名利 | 
| J16_0128A06: | の望をやめて。しづかに佛法を修學せんためなり。 | 
| J16_0128A07: | この仰まことにしかなりとて。生年十六歳の春。は | 
| J16_0128A08: | じめて本書をひらく。三ケ年をへて。三大部をわた | 
| J16_0128A09: | り給ぬ。 | 
| J16_0128A10: | ○三大部ハ玄義十卷釋法華大意文句十卷釋彼經文文句句摩訶止觀十卷明修行方軌都三十卷天台智者大師之所撰也釋籤十卷釋玄義疏記十卷釋文句弘决十卷釋止觀都三十卷妙樂湛然尊者之所述也已上本末合六十卷總稱天台一宗之本書 | 
| J16_0128A11: | 畫圖 | 
| J16_0128A12: | ●林籔ハ隱者ノ住ニ宜キ幽ナル所ヲ云石崇カ思歸 | 
| J16_0128A13: | 引序ニ篤好林籔遂肥遁於河陽別業●六十卷 | 
| J16_0128A14: | 玄義文句止觀本書釋籤疏記弘决末書各十卷ナリ中右 | 
| J16_0128B15: | 記云近日主上學六十卷給云云源氏ニ六十卷ト云文 | 
| J16_0128B16: | ヨミ給ヒ賢木ナトアリテ天台ヲ學スルニハ先コノ法 | 
| J16_0128B17: | 門ヲ宗トスベキトゾ | 
| J16_0128B18: | 惠解天然にして。秀逸のきこえあり。四敎五時の廢 | 
| J16_0128B19: | 立。鏡をかけ。三觀一心の妙理。玉をみがく。所立 | 
| J16_0128B20: | の儀勢。殆師のをしへにこえたり。闍梨いよいよ感 | 
| J16_0128B21: | 歎して。學道をつとめ大業をとげて。圓宗の棟梁と | 
| J16_0128B22: | なり給へと。よりよりこしらへ申されけれども。更 | 
| J16_0128B23: | に承諾の詞なし。なをこれ名利の學業なることをい | 
| J16_0128B24: | とひ。たちまちに師席を辭して。久安六年九月十二 | 
| J16_0128B25: | 日。生年十八歳にして。西塔黑谷の慈眼房叡空の廬 | 
| J16_0128B26: | にいたりぬ。幼稚の昔より成人の今に至まで。父の | 
| J16_0128B27: | 遺言わすれかたくして。とこしなへに隱遁の心ふか | 
| J16_0128B28: | きよしをのへ給に。少年にしてはやく出離の心をお | 
| J16_0128B29: | こせりまことにこれ。法然道理のひじりなりと隨喜 | 
| J16_0128B30: | して。法然房と號し。實名は源光の上の字と。叡空 | 
| J16_0128B31: | の下の字をとりて源空とそつけられける。 |