浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0703A01: | 上の菩薩ならては生することなきか故に一等平均に |
J09_0703A02: | して差別無かるへし爾らは九品の階級は不可有と |
J09_0703A03: | 云ふ時九品の差別有ること還て阿彌陀如來の大手抦 |
J09_0703A04: | 也其の由は餘の淨土には九品の差別無し極樂は五乘 |
J09_0703A05: | 齊入の謂也故に差別あり國土に差別は無けれとも生 |
J09_0703A06: | する人に差別有る也總して九品の差別は華の開合に |
J09_0703A07: | 依つて差別有り此方より煩惱業を持なから參る故に |
J09_0703A08: | 彼の土の華中に於て此を斷する也是故に差別あり諸 |
J09_0703A09: | 佛淨土の差別無き事は於此世煩惱業を斷盡して往 |
J09_0703A10: | く故に差別無し彌陀の淨土は未斷惑の凡夫往生す故 |
J09_0703A11: | に差別あるなり上品上生は即ち開く上品中生は經宿 |
J09_0703A12: | 即開上品下生は一日一夜也乃至下品下生は十二大劫 |
J09_0703A13: | 也此れ皆娑婆に凖して一日一夜等と説く十二大劫も |
J09_0703A14: | 極樂にては十二日程なり扨何として彼の土にては早 |
J09_0703A15: | く煩惱か消ゆるそと云ふ時喩へは此の世界は極寒の |
J09_0703A16: | 内氷の上に湯を灌ると同しこと也尚尚強く凍る也又 |
J09_0703A17: | 極樂淨土は麴室の如くいかなる氷にても下品下生の |
J09_0703B18: | 十二日程にては消る也薄き氷は尚を早く消る也爾れ |
J09_0703B19: | は無明煩惱消る間が九品の差別也華開已後は一味平 |
J09_0703B20: | 等也○善導和尚の御意とは天台大師は五乘齊入なる |
J09_0703B21: | か故に化身化土と云ふ善導計り他受用報身報土と定 |
J09_0703B22: | むる也玄義二十丁二十二丁七門の中の第六經論相違門の第六 |
J09_0703B23: | 會通二乘種不生義の處に具に釋せり云云○二十三丁一念十 |
J09_0703B24: | 念とは最後の時節也又常常五十年三十年六萬七萬の |
J09_0703B25: | 念佛申す人も此の念佛申す修行の苦勞にて報土へ生 |
J09_0703B26: | することは叶はす唯阿彌陀如來の別願の力の御影に |
J09_0703B27: | て生する也能能思へし○上古よりこのかたをほく下 |
J09_0703B28: | 品等とは此の下品と云へとも足ぬへしと云ふを人人 |
J09_0703B29: | 惠心の語と云へとも是れは慶の保胤の語也昔昭宣公 |
J09_0703B30: | 建立極樂寺慶氏保胤願文云十方佛土之中以西方 |
J09_0703B31: | 爲望九品蓮臺之間雖下品應足望西一之首に出之本據更考老師は保胤が詩と |
J09_0703B32: | 計り仰せられし也惠心も下品上生を願ひ玉ふと云ふこと御傳廿 |
J09_0703B33: | 七の五丁可見合爾るに今時の人先つ兎角極樂の牆 |
J09_0703B34: | の内にさへ入れはよしと云ふ此れは惡業を怖れて下 |