浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0402A01: | 學問能くしたるは。指を折て算つべし。如來一代の敎 |
Z14_0402A02: | 意を能く明めねばならぬ卽心念佛の安心ならば。今 |
Z14_0402A03: | 時の凡愚は。安心さへ決定ならず。況や行法をや。時 |
Z14_0402A04: | 機不相應の卽心念佛を申さんより。智者も愚者も。別 |
Z14_0402A05: | の子細なき口稱念佛して。早く極樂に往生するには |
Z14_0402A06: | しかじ。 |
Z14_0402A07: | 問。念佛は時機相應にて。萬機普益と云へども。左 |
Z14_0402A08: | には非ざるべし。故に或問に事の念佛にても漏る |
Z14_0402A09: | ゝ機あるなり。念佛無間と云ふ宗旨を。何とて漏さ |
Z14_0402A10: | ぬことがなるべきや。卽心念佛は。法華經の意と |
Z14_0402A11: | は。一心三觀は開權の妙觀なるが故なりと云へる |
Z14_0402A12: | は如何。 |
Z14_0402A13: | 答。是は殊の外文盲なることを云ひ出されたり。漏す |
Z14_0402A14: | 漏さぬと云ふ事は。其法を信じて修する人の中にて |
Z14_0402A15: | 云ふことなり。開權の心妙觀は。誰々も殊勝の法なれ |
Z14_0402A16: | ば。修し得度く思へども。甚深難解にして。其妙觀法 |
Z14_0402A17: | の開解さへ。今時百千人の中に五人三人もありがた |
Z14_0402B01: | かるべし。是其法は甚深なれども。根機下劣にして。 |
Z14_0402B02: | 修門に趣くこと能はざれば。自ら漏るゝにあらずや。 |
Z14_0402B03: | 稱名の一法は。唯南無阿彌陀佛にて極樂へ往生する |
Z14_0402B04: | ぞと思ひ取て。念佛さへ申せば。機の善惡賢愚を論ぜ |
Z14_0402B05: | ず。齊しく彼國に往生するなり。若得生淨土の爲に念 |
Z14_0402B06: | 佛するものに。生と不生とあるなれば。漏すと云ふこ |
Z14_0402B07: | とあるべし。十方衆生一形を盡すより。下十聲一聲に |
Z14_0402B08: | 至るまで。皆悉く往生す。何の漏すと云ふことかこれ |
Z14_0402B09: | あらん。日光普く照せども。嫌て見ざるものは日の咎 |
Z14_0402B10: | には非ず。不見者の過なり。彌陀の本願。普く蒙むれ |
Z14_0402B11: | ども。念佛無間と云ふて。嫌へるものは。彌陀の咎に |
Z14_0402B12: | は非ず。嫌へる者の過なり。何ぞこれを漏すと云は |
Z14_0402B13: | ん。俗にても少しかしこきものは。か樣の妄難は申さ |
Z14_0402B14: | ぬなり。精き學者と自ら云へるに似合ぬ愚癡なこと |
Z14_0402B15: | を云ふ人かな。 |
Z14_0402B16: | 問。淨土宗の人の念佛を務むるは。宗旨の建立にて |
Z14_0402B17: | 習ひ來り仕來りたるがかりのことにて。佛敎の大 |