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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0402A01: 學問能くしたるは。指を折て算つべし。如來一代の敎
Z14_0402A02: 意を能く明めねばならぬ卽心念佛の安心ならば。今
Z14_0402A03: 時の凡愚は。安心さへ決定ならず。況や行法をや。時
Z14_0402A04: 機不相應の卽心念佛を申さんより。智者も愚者も。別
Z14_0402A05: の子細なき口稱念佛して。早く極樂に往生するには
Z14_0402A06: しかじ。
Z14_0402A07:  問。念佛は時機相應にて。萬機普益と云へども。左
Z14_0402A08:  には非ざるべし。故に或問に事の念佛にても漏る
Z14_0402A09:  ゝ機あるなり。念佛無間と云ふ宗旨を。何とて漏さ
Z14_0402A10:  ぬことがなるべきや。卽心念佛は。法華經の意と
Z14_0402A11:  は。一心三觀は開權の妙觀なるが故なりと云へる
Z14_0402A12:  は如何。
Z14_0402A13: 答。是は殊の外文盲なることを云ひ出されたり。漏す
Z14_0402A14: 漏さぬと云ふ事は。其法を信じて修する人の中にて
Z14_0402A15: 云ふことなり。開權の心妙觀は。誰々も殊勝の法なれ
Z14_0402A16: ば。修し得度く思へども。甚深難解にして。其妙觀法
Z14_0402A17: の開解さへ。今時百千人の中に五人三人もありがた
Z14_0402B01: かるべし。是其法は甚深なれども。根機下劣にして。
Z14_0402B02: 修門に趣くこと能はざれば。自ら漏るゝにあらずや。
Z14_0402B03: 稱名の一法は。唯南無阿彌陀佛にて極樂へ往生する
Z14_0402B04: ぞと思ひ取て。念佛さへ申せば。機の善惡賢愚を論ぜ
Z14_0402B05: ず。齊しく彼國に往生するなり。若得生淨土の爲に念
Z14_0402B06: 佛するものに。生と不生とあるなれば。漏すと云ふこ
Z14_0402B07: とあるべし。十方衆生一形を盡すより。下十聲一聲に
Z14_0402B08: 至るまで。皆悉く往生す。何の漏すと云ふことかこれ
Z14_0402B09: あらん。日光普く照せども。嫌て見ざるものは日の咎
Z14_0402B10: には非ず。不見者の過なり。彌陀の本願。普く蒙むれ
Z14_0402B11: ども。念佛無間と云ふて。嫌へるものは。彌陀の咎に
Z14_0402B12: は非ず。嫌へる者の過なり。何ぞこれを漏すと云は
Z14_0402B13: ん。俗にても少しかしこきものは。か樣の妄難は申さ
Z14_0402B14: ぬなり。精き學者と自ら云へるに似合ぬ愚癡なこと
Z14_0402B15: を云ふ人かな。
Z14_0402B16:  問。淨土宗の人の念佛を務むるは。宗旨の建立にて
Z14_0402B17:  習ひ來り仕來りたるがかりのことにて。佛敎の大

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