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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0374A01: 百餘年にをよぶ書なり。
Z08_0374A02: 一此抄。かならずしも次第を論ぜず。まじへてしるせ
Z08_0374A03: り。これ古體にて殊勝なるに。いま類をわかち。前
Z08_0374A04: 後をみだすことは▲かりなきにあらず。されども。
Z08_0374A05: 事をたづねん時は。見やすきたよりともなるべき
Z08_0374A06: がゆへに。かく體をあらため侍る。舊本とならべて
Z08_0374A07: おこなはれんに。何のさはりがあらん。
Z08_0374A08: 一部分の標題も。總別開合あれば。重疊に似たるもあ
Z08_0374A09: り。又かならずしも次第を汰沙せずかきつらね侍り。
Z08_0374A10: 一文字のかきつ▲き。大方。古本の樣をうつして。こと
Z08_0374A11: 〲くはあらためず。かなづかひのたがひたるとこ
Z08_0374A12: ろあれども。末の事なれば。あながちにあらためず。
Z08_0374A13: 一舊本は。本文にもかな付にも。損落おほし。今なら
Z08_0374A14: びにその脫誤をおぎなひた▲す。
Z08_0374A15: 一異本に對校して。舊本にふれたる事をば。卷の終に
Z08_0374A16: まじへてしるす。
Z08_0374A17: 一この標註には。肝要のみをしるして。詮なき事をば
Z08_0374A18: 略す。ひろく本據をさぐり。文證を引んことも。此抄
Z08_0374A19: の本意ならねば。あら〱これをしるす。
Z08_0374A20: 一此抄にのするところの上人たちは。いづれも實德
Z08_0374B01: の光をひそむる道心者にして。みづから跡をくら
Z08_0374B02: まし給ふなれば。傳記もさだかにはあるべからず。
Z08_0374B03: わづかに。予がおぼえたる分をば。卷の初にこれを
Z08_0374B04: しるす。おほくは淨土門の人なり。
Z08_0374B05: 一此抄は。いかにも淨土門より出たる物なり。つらぬ
Z08_0374B06: るところのこと葉。おほくは黑谷御傳。決答等にあ
Z08_0374B07: る事也。各別には所出をしるさず。
Z08_0374B08: 慈圓山門六十二代座主。諡號慈鎭。忠通公御息。月輪殿弟也。
Z08_0374B09: 顯眞天台座主。權僧正。籠-居大原專修念佛。有勸化消息云。
Z08_0374B10: 明遍少納言通憲息。法印敏覺弟子。三論達者。後隱于高野蓮華谷
Z08_0374B11: 敎信事跡詳于日本往生極樂記及往生十因
Z08_0374B12: 聖光法然上人高弟。鎭西流祖。別傳一卷現行于世。亦載東國高僧傳
Z08_0374B13: 俊乘本眞言宗。住上醍醐。後師乎法然上人。專修念佛東大寺
Z08_0374B14: 法蓮信空別號稱辨。左大辨行隆長男。後師乎法然上人洛東白川
Z08_0374B15: 禪勝本天台宗。住遠江國蓮華寺。後師於法然上人法義
Z08_0374B16: 然阿聖光上人上足弟子良忠上人也。諡號記主禪師御傳一册
Z08_0374B17: 敬蓮社眞如堂聖覺說法。直至鎭西於聖光上人
Z08_0374B18: 明禪參議成賴卿息。山門檀那嫡流。知海法印面授也。

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