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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0141A01: り。○うちやりてといふ詞は。兩樣には見ゆるなり。す
Z08_0141A02: てをく心。後へをくる心。●(三八)いと▲しくは。あま
Z08_0141A03: りはやき心なり。初心の時より。まづ三心がそなはる
Z08_0141A04: かと。わが心をかへりみるとも。聊爾にはおこるまじ
Z08_0141A05: き道理なり。●(三九)そうあるゆへに。いついづれの
Z08_0141A06: 心がおこるよと。手ごたへもせず。覺もなければ。い
Z08_0141A07: よいよ心もとなくなりて。さま〲の事をおもふな
Z08_0141A08: り。●(四〇)以上には非をえらび。以下は正しくしめ
Z08_0141A09: す。○これ自然に。三心を發得する故實なり。○たの
Z08_0141A10: もしくおもふ心が。すなはち橫の三心なるべし。眞實
Z08_0141A11: にたのもしくおもふは。至誠心なり。ふかくたのみて
Z08_0141A12: うたがひなければ。深心なり。くりかへしたのむ心
Z08_0141A13: が。すなはち廻向心なり。眞如堂本尊の御歌に。た〻
Z08_0141A14: たのめよろつのつみはふかくとも。わか本願のあら
Z08_0141A15: んかきりは云云。此御示現の五もじが。ことにたうと
Z08_0141A16: く侍る。たすけたまへと。たのみをかくる橫の三心な
Z08_0141A17: らし。○おもひしむるとは。心にそめつくる義なり。
Z08_0141A18: 染の字なり。しと。そと竪音通ず。○白氏文集四
Z08_0141A19: 人非木石。皆有情。已上止觀。對M(シテ)覺知スルヿ
Z08_0141A20: ナルヲ乎木石已上●(四一)むかし。魏の武
Z08_0141B01: 帝。軍に出て道にまよひぬ。士卒みな。つかれかはき
Z08_0141B02: て。のまんとするに水なし。曹操下知していはく。今
Z08_0141B03: すこしす〻め。さきに大なる梅の林あり。その子あま
Z08_0141B04: くして酸し。とりて渴をやむべしといふを聞て。つは
Z08_0141B05: ものども。あらそひはしりて。それをのぞむ時。をの
Z08_0141B06: ずから口の中に()出たり。魏志。韻瑞五。事苑五。纂要二。うるひは。う
Z08_0141B07: るほひなり。惠心の歌にも。ひと時にそ〻きし雨にう
Z08_0141B08: るひつ〻とあり。○大佛頂萬行經。談-說スレハ
Z08_0141B09: 。口中水出。思ント懸險。足心悛澀。修
Z08_0141B10: 此。又楞嚴十之下。論註。依法藏菩薩
Z08_0141B11: 十八願。今日阿彌陀如來自在神力アリ已上記主上人
Z08_0141B12: 。十劫正覺。利益衆生大力已上●(四二)
Z08_0141B13: これかさねてのをしへなり。利根障輕の人は。聞て忽
Z08_0141B14: に信を生ず。根鈍障重の機は。やうやくに信を得べ
Z08_0141B15: し。た▲なる〻がよきなり。○遺敎節要。無キハ
Z08_0141B16: 。如覆器一レルヿ。無クハ思慧。如漏器
Z08_0141B17: 而失云云。●(四三)泰山はもろこしの山の
Z08_0141B18: 名なり。やはらかなる水のじづくなれども。やう
Z08_0141B19: やくにした〻りて。かたき石のくぼむ事は。やむ
Z08_0141B20: 事なきゆへなり。これ文選三十九にあり。枚叔が語な

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