浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0139A01: | ずして。いたづらに。衣食をもとめて。くるしみけん |
Z08_0139A02: | ためしなるべし。五百弟子授記品。○俱舍根品頌疏ノ二ニ云ク。信ト |
Z08_0139A03: | 者澄淨也。如シ三水淸珠ノ能ク淸ムル二濁水ヲ一。心ニ有レハ二信 |
Z08_0139A04: | 珠一。令二心澄淨ナラ一。有カ說ク。於二四諦三寶善惡ノ業界ニ一。忍 |
Z08_0139A05: | 許スルヲ名クレ信ト。已上●(二五)是はうたがひの相をしめ |
Z08_0139A06: | す。○さはいへどとは。さうはいへどもなり。○たは |
Z08_0139A07: | やすくとは。たやすきなり。僻案抄ニ云ク。たやすくとい |
Z08_0139A08: | ふ詞に。文字をそへていへるなり。河海同。後撰集よみ人しらず |
Z08_0139A09: | あられふるみ山のさとのさひしきは。きてたはや |
Z08_0139A10: | すくとふ人てなき。○かすめうたがふは。澄淨の義な |
Z08_0139A11: | きなり。○たうとくおもへぬは。忍許の義なきなり。 |
Z08_0139A12: | ●(二六)まことに當世は。淨土宗。天下にひろまりて。 |
Z08_0139A13: | 念佛のをしへ。こ〻かしこにあるゆへ。いかにをろか |
Z08_0139A14: | なるものも。阿彌陀佛のたのもしき事をばき〻しれ |
Z08_0139A15: | り。そのたのもしきがすなはち信心なり。されば。世 |
Z08_0139A16: | 間の念佛申ほどの人に信心のなきはなし。たとひ一 |
Z08_0139A17: | こゑなりとも。南無阿彌陀佛と申さる〻が。信心のあ |
Z08_0139A18: | るしるしなり。千萬人の中に。ひとりなどは。佛のち |
Z08_0139A19: | からをも〓たがふ。ねぢけ人もあるべし。それはよく |
Z08_0139A20: | よく。宿業のつたなかりしむくひにて。本願のいはれ |
Z08_0139B01: | をも。えき〻わけぬもの〻。あら〱しきこ〻ろなる |
Z08_0139B02: | べし。●(二七)わりなきは。あながちなり。○きくおり |
Z08_0139B03: | とは。き〻うくる時なり。○心うごくとは。感ずる義 |
Z08_0139B04: | なり。○やはあるとは。なきぞといふ詞なり。○禮記ニ |
Z08_0139B05: | 云ク。感M(シテ)二於物ニ一而動ク。故ニ形ル二於聲ニ一。已上文選卅四。枚 |
Z08_0139B06: | 叔カ七ツ發ニ云ク。動カシレ心ヲ驚カスレ耳ヲ。已上註ニ翰カ曰ク。言フハ |
Z08_0139B07: | 非レハ下常ノ所ノ二聞見スル一者ニ上也。已上榊の卷に。中々心うご |
Z08_0139B08: | きて。おぼし見たりと有。●(二八)やがてとは。そ |
Z08_0139B09: | れすなはちの心なり。○かやすくとは。た▲やすくな |
Z08_0139B10: | り。匠材集。又たやすきは。合期の義か。やすきは。かろき |
Z08_0139B11: | 心なり。埃囊抄。○もてなやむとは。うれへもとむる義な |
Z08_0139B12: | り。○さへとは。副の字なり。すこしの信心までを。 |
Z08_0139B13: | うしなふ義なり。○所詮往生も。一定とおもへば一 |
Z08_0139B14: | 定。不定におもへば不定になるがごとく。信心もを |
Z08_0139B15: | のづからおこるなり。わが身には。信心なしとかなし |
Z08_0139B16: | めば。ある信心もさむるものなり。身を卑下するも。事 |
Z08_0139B17: | によるぞかし。た▲おもひ切て念佛すべし。世にもど |
Z08_0139B18: | かしきわざなり。●(二九)たのもしき心が。すなはち |
Z08_0139B19: | 信心なりと。しらぬゆへなれば。いさ〻かのおもむき |
Z08_0139B20: | といふなり。○畢竟その信心を。なげきもとむるが。す |