浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0099A01: | 華集の詞書に。冷泉院へたかうなたてまつせら給ふと |
Z08_0099A02: | て。よませ給ひけると有。●(五〇)時のまとは。暫時の |
Z08_0099A03: | 程なり。●(五一)さだまれる時節の事なり。かぎりは期 |
Z08_0099A04: | 限なり。●(五二)夏の節の末つかたに。筍さかりなり。 |
Z08_0099A05: | ○本草綱目ニ曰ク〓晉ノ武目。戴凱之。宋ノ僧贊寧。皆著ス二竹 |
Z08_0099A06: | 譜ヲ一。凡テ六十餘種。其所レ產スル之地。發スルレ筍ヲ之時。各 |
Z08_0099A07: | 各不レ同。已上●(五三)されば是のみにかぎらず。眞實に |
Z08_0099A08: | ねがひ。慇懃にこ〻ろざす事は。つゐにかなふものと |
Z08_0099A09: | 見えたり。○是まで譬說なり。是より下は法と譬とを |
Z08_0099A10: | 引合てのす〻めなり。●いは▲末代は冬のごとし。雪を |
Z08_0099A11: | ば業障のふかきにたとへ。竹の子を行者によそへてい |
Z08_0099A12: | ふなり。若し本願の力にあらずば。末世造罪の我等が |
Z08_0099A13: | 成佛しがたき。夏は雪の中に竹の子のおひがたきがご |
Z08_0099A14: | とし。○楞嚴ニ云ク。如レ是積業。猶二湯ノ消スルカ一レ雪ヲ。已上●(五五) |
Z08_0099A15: | 釋に深重誓願と有。○智論ニ云ク。大慈ハ與ヘ二一切衆生ニ |
Z08_0099A16: | 樂ヲ一。大悲ハ拔ク二一切衆生ノ苦ヲ一。已上法藏菩薩。初地にを |
Z08_0099A17: | いて平等一如の理をさとりて。おこし給ふ慈悲なれ |
Z08_0099A18: | ば。平等にしてふかきなり。●(五六)釋に四十八願慇 |
Z08_0099A19: | 懃喚とあり。●(五七)世話に是非ともにといふがごし。 |
Z08_0099A20: | ●(五八)拾因ニ曰ク。誠ニ彌陀ノ願ハ。非二少緣ノ悲願ニ一。不レ勝二 |
Z08_0099B01: | 大悲ニ一。立玉フ二不可得ノ願ヲ一。已上智論ニ曰ク。不可得ノ願ト者。 |
Z08_0099B02: | 有テレ人。欲下籌二-量シ虗空ヲ一。盡シ二其ノ邊際ヲ一。及ヒ求ント中時方 |
Z08_0099B03: | 邊際ヲ上。如シ下小兒ノ求ルカ中水中ノ月。鏡中ノ像ヲ上。如レ是等ノ願ハ。 |
Z08_0099B04: | 皆不可得也。可得ノ願ト者。鑽テレ木ヲ求メレ火ヲ。穿テレ地ヲ得レ水ヲ。 |
Z08_0099B05: | 修M(シテ)レ福ヲ得二人天中ニ生スルヿヲ一。及得二阿羅漢。辟支佛果ヲ一。乃 |
Z08_0099B06: | 至得二諸佛法王ヲ一。如レ是等ハ。名ク二皆可得ノ願ト一。已上雪の中 |
Z08_0099B07: | の筍も。我等が往生も不可得の願なり。●(五九)雪の |
Z08_0099B08: | 中に竹の子の出たる事は。た▲孟宗が願ひの。あなが |
Z08_0099B09: | ちなりしゆへなり。またく竹子のわざにはあらず。凡 |
Z08_0099B10: | 夫の極樂にむまる〻事は。佛の志願のつよかりしゆへ |
Z08_0099B11: | なり。さらに衆生の方にはあらず。●(六〇)佛の御ね |
Z08_0099B12: | がひかなひたればこそ。我等も往生すれ。我等が往生 |
Z08_0099B13: | すればこそ。佛も正覺を取給ひたれば。われらがよろ |
Z08_0099B14: | こびは。佛の御よろこびなり。さても法藏比丘の志願。 |
Z08_0099B15: | 深廣なりしゆへ。不可得の願なれども。すでに滿足し |
Z08_0099B16: | 給へり。これいくばく修行の功ぞや。いくばく大悲の |
Z08_0099B17: | 力ぞや。●(六一)是は比校なり。凡夫のよはき念力だ |
Z08_0099B18: | に。かくのごとくの事あり。まして佛のつよき願力を |
Z08_0099B19: | や。○片時を。遊仙窟にしばらくと訓ず。○うがつは。 |
Z08_0099B20: | 穿の字なり。雪をうちとをしておひたる事なり。○を |