ウィンドウを閉じる

Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0061A01: 足の名號と申なり。已上寂惠上人の起請文。先師に
Z08_0061A02: 承候ひし相承の安心は。眞ある心にて。疑なく往生せ
Z08_0061A03: むとおもふを申侍るなり。これもなをわづらはしく
Z08_0061A04: ば。只助給へと思ふが。往生の安心にて候。此助給への
Z08_0061A05: 心のうちに。三心も四修も。みなこもりて。かならず往
Z08_0061A06: 生するぞと候ひし也。已上此心を夫木抄に權僧正公朝。二なくたのむ
Z08_0061A07: になれはをのつから。三の心はありけるものを。●(六
Z08_0061A08: 三)機法の二種の信あり。●(六四)露は極少の義なり。
Z08_0061A09: ●(六五)やがては。とりもなをさず。すなはちの心な
Z08_0061A10: り。たすけ給へとは。極樂にうまれん事をたのむがゆ
Z08_0061A11: へなり。向阿上人の往生至要訣。そのたすけ給へ
Z08_0061A12: とおもふ心に。三心はおのづからそなはるなり。然る
Z08_0061A13: ゆへは。まことしくたすけ給へと思ひていつはらざ
Z08_0061A14: るは至誠心。ひとすぢにたのもしく思ひて疑はざる
Z08_0061A15: は深心。たすけ給へとねがひ思ふは。すなはち廻向發
Z08_0061A16: 願心也。已上●(六六)無下にをろかなるものは。心のは
Z08_0061A17: たらきがなければ。本願のくわしきいはれも。えき〻
Z08_0061A18: わけず。そのやうなるものにつけても。此たすけ給へ
Z08_0061A19: とばかりの安心なれば。おもひやすき心ぞとなり。○
Z08_0061A20: いし〱の事。ある人のいはく。此鈔にかぎらず。ふる
Z08_0061B01: き和字の書に。たま〱ある詞なり。歌にはよまれぬ
Z08_0061B02: 詞にて。官家の說にも。しな〲の心なりと云つたへ
Z08_0061B03: 給ふとぞ。○予。成恩寺殿の寶塔記を見侍りしに。いし
Z08_0061B04: いしの詞あまた所に有。それ〱さま〱の心と覺
Z08_0061B05: ゆ。○或云。山之霞といふ書に。(ワウ)(バン)いし〱とあり。
Z08_0061B06: 思のま〻の記にも此ことばあり。しな〲の義なり
Z08_0061B07: とぞ。●(六七)念佛往生の安心は。所詮これほど心やす
Z08_0061B08: ければ。いかなるものも往生しやすき事なり。これ法
Z08_0061B09: 藏比丘のいにしへ。五劫におもひをつくして。夜晝と
Z08_0061B10: なく案じて立たまへる本願の三心なれば。あだにい
Z08_0061B11: ふべき事にあらず。よく下機にかなへる心もちなり。
Z08_0061B12: ●(六八)三心はいづれの經にかあるらん。その名を
Z08_0061B13: もしらぬいやしき女わらべなどが往生するは。みな
Z08_0061B14: 此たすけ給へとばかりおもひて。來迎にあづかるも
Z08_0061B15: のなり。和漢の往生傳に。無智の童男童女の往生を。お
Z08_0061B16: ほくのせたり。閑居友にも。あやしのめのわらべが。往
Z08_0061B17: 生の事をしるして侍り。倭名鈔。童男男の和良倍。童女
Z08_0061B18: 女の和良倍。○つらとは。列の字なり。みな此なみの安心ぞ
Z08_0061B19: といふ心なり。葵の卷に。このみこたちのつらになん
Z08_0061B20: おもへばとあり。○上人云。た▲ひらに信じてだにも

ウィンドウを閉じる