浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0061A01: | 足の名號と申なり。已上寂惠上人の起請文ニ云ク。先師に |
Z08_0061A02: | 承候ひし相承の安心は。眞ある心にて。疑なく往生せ |
Z08_0061A03: | むとおもふを申侍るなり。これもなをわづらはしく |
Z08_0061A04: | ば。只助給へと思ふが。往生の安心にて候。此助給への |
Z08_0061A05: | 心のうちに。三心も四修も。みなこもりて。かならず往 |
Z08_0061A06: | 生するぞと候ひし也。已上此心を夫木抄に權僧正公朝。二なくたのむ |
Z08_0061A07: | になれはをのつから。三の心はありけるものを。●(六 |
Z08_0061A08: | 三)機法の二種の信あり。●(六四)露は極少の義なり。 |
Z08_0061A09: | ●(六五)やがては。とりもなをさず。すなはちの心な |
Z08_0061A10: | り。たすけ給へとは。極樂にうまれん事をたのむがゆ |
Z08_0061A11: | へなり。向阿上人の往生至要訣ニ云ク。そのたすけ給へ |
Z08_0061A12: | とおもふ心に。三心はおのづからそなはるなり。然る |
Z08_0061A13: | ゆへは。まことしくたすけ給へと思ひていつはらざ |
Z08_0061A14: | るは至誠心。ひとすぢにたのもしく思ひて疑はざる |
Z08_0061A15: | は深心。たすけ給へとねがひ思ふは。すなはち廻向發 |
Z08_0061A16: | 願心也。已上●(六六)無下にをろかなるものは。心のは |
Z08_0061A17: | たらきがなければ。本願のくわしきいはれも。えき〻 |
Z08_0061A18: | わけず。そのやうなるものにつけても。此たすけ給へ |
Z08_0061A19: | とばかりの安心なれば。おもひやすき心ぞとなり。○ |
Z08_0061A20: | いし〱の事。ある人のいはく。此鈔にかぎらず。ふる |
Z08_0061B01: | き和字の書に。たま〱ある詞なり。歌にはよまれぬ |
Z08_0061B02: | 詞にて。官家の說にも。しな〲の心なりと云つたへ |
Z08_0061B03: | 給ふとぞ。○予。成恩寺殿の寶塔記を見侍りしに。いし |
Z08_0061B04: | いしの詞あまた所に有。それ〱さま〱の心と覺 |
Z08_0061B05: | ゆ。○或云ク。山之霞といふ書に。椀飯いし〱とあり。 |
Z08_0061B06: | 思のま〻の記にも此ことばあり。しな〲の義なり |
Z08_0061B07: | とぞ。●(六七)念佛往生の安心は。所詮これほど心やす |
Z08_0061B08: | ければ。いかなるものも往生しやすき事なり。これ法 |
Z08_0061B09: | 藏比丘のいにしへ。五劫におもひをつくして。夜晝と |
Z08_0061B10: | なく案じて立たまへる本願の三心なれば。あだにい |
Z08_0061B11: | ふべき事にあらず。よく下機にかなへる心もちなり。 |
Z08_0061B12: | ●(六八)三心はいづれの經にかあるらん。その名を |
Z08_0061B13: | もしらぬいやしき女わらべなどが往生するは。みな |
Z08_0061B14: | 此たすけ給へとばかりおもひて。來迎にあづかるも |
Z08_0061B15: | のなり。和漢の往生傳に。無智の童男童女の往生を。お |
Z08_0061B16: | ほくのせたり。閑居友にも。あやしのめのわらべが。往 |
Z08_0061B17: | 生の事をしるして侍り。倭名鈔ニ云ク。童男男の和良倍。童女 |
Z08_0061B18: | 女の和良倍。○つらとは。列の字なり。みな此なみの安心ぞ |
Z08_0061B19: | といふ心なり。葵の卷に。このみこたちのつらになん |
Z08_0061B20: | おもへばとあり。○上人云。た▲ひらに信じてだにも |