浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0057A01: | を信ずるなり。右のたとへにあはせてみるべし。● |
Z08_0057A02: | (四四)聖道とは。淨土宗ならぬ他門の事なり。大乘聖 |
Z08_0057A03: | 道門を修行する人は。初心の時より。た▲心性の珠を |
Z08_0057A04: | みがきて。本有の理をあらはさんとす。されば卽心卽 |
Z08_0057A05: | 佛と觀じつめて。他力往生をいやしむるなり。眞言に |
Z08_0057A06: | は父母所生身。速證大覺位とをしへ。禪家には直指人 |
Z08_0057A07: | 心。見性成佛としめし。天台には煩惱卽菩提。生死卽𣵀 |
Z08_0057A08: | 槃と觀じ。華嚴には初發心時。便成正覺と談ず。いづ |
Z08_0057A09: | れも。極佛のおもひをなし。その觀解。高々として佛祖 |
Z08_0057A10: | の頂をふむなり。云云○極佛とは。妙覺果滿の位なり。 |
Z08_0057A11: | ○あなうらとは。倭名抄ニ云ク。◎ハ說文ニ云。足下也和名阿奈 |
Z08_0057A12: | 宇良。○おとしめたりとは。いやしめきらふなり。定家卿 |
Z08_0057A13: | のかな遣には。減の字なり。源氏の抄には。陷の字也。○ |
Z08_0057A14: | 聖辨師ノ云ク。於テ二此ノ土中ニ一。轉M(シテ)レ凡ヲ入ルレ聖ニ。故ニ云二聖 |
Z08_0057A15: | 道ト一。爲レ聖カ之道ナリ。道ハ卽チ通ノ義ナリ。淨土風航鈔釋解第一。允堪ノ〓發 |
Z08_0057A16: | 眞鈔ニ云ク。修行トハ應法師ノ曰。行ハ下孟ノ切。施スヲレ之名クレ |
Z08_0057A17: | 行ト。卽チ造修也。已上●(四五)鈍根無智とは。その性鈍 |
Z08_0057A18: | にして。ならへる觀智もなきをいふなり。緣とは。佛 |
Z08_0057A19: | 力の增上緣なり。運穢方につくすとは。三界の道。 |
Z08_0057A20: | あとたゆる義なり。○西方要決ニ云ク。興シ二少學之軍 |
Z08_0057B01: | 修ヲ一。運ヲ竭ス二穢方ニ一。已上弘決ニ云ク。運ト者動也。今攝M(シテ)二九 |
Z08_0057B02: | 運ヲ一。令レ入二佛運ニ一。已上又云ク。業相ハ是能運。生死ハ是所 |
Z08_0057B03: | 運ナリ。載スル二生死ヲ一之輪ナレハ。名二生死輪ト一。已上風航鈔釋 |
Z08_0057B04: | 解ニ云ク。若シ慢二-擧スレハ自身ヲ一。則不レ能レ尊二-重スルヿ他ヲ一。如下 |
Z08_0057B05: | 彼ノ德光論師。不上レ敬二慈尊一等是也。故ニ謙二-下M(シテ)自身ノ罪 |
Z08_0057B06: | 惡ヲ一。次ニ深ク信二-順ス他力ノ授受ヲ一。已上●(四六)これ聖道初 |
Z08_0057B07: | 心の人の。自力をはげみて。慢擧するにたとふ。あや |
Z08_0057B08: | しきとは。いやしき義なり。あやしのしづ山がつとい |
Z08_0057B09: | ふ。●(四七)これは淨土門に。いかなる智者學匠まで |
Z08_0057B10: | も。彌陀を主人として。我身を卑下するにたとふ。○ |
Z08_0057B11: | いみじとは。義の字にてすぐれたる義なり。○やつこ |
Z08_0057B12: | は。奴の字にて下部の事なり。○へるとは。謙の字に |
Z08_0057B13: | て。へりくだるなり。●(四八)史記ニ云ク。且ツ夫レ臣トスルトレ |
Z08_0057B14: | 人ヲ。與トレ見レ臣トセ二於人ニ一。制スルトレ人ヲ。與トレ見レ制セ二於人ニ一。 |
Z08_0057B15: | 豈可ンヤ二同日ニM(シテ)道フ一哉。已上●(四九)聖道の學者は。自の |
Z08_0057B16: | 三學にほこりて身をたかくし。淨土の行人は。他力 |
Z08_0057B17: | をたのみてわが身を卑下するなり。鎌倉宗要ニ云ク。 |
Z08_0057B18: | 信スルヿ二自身ノ罪惡ヲ一者。諸敎之中未レ有二此信一。唯有下瑩テ二心 |
Z08_0057B19: | 性ノ珠ヲ一。顯ス中本有ノ理ヲ上。謂ク衆生ノ心法ニ。有リレ眞有リレ妄。 |
Z08_0057B20: | 無明ノ風吹テ。眞心ノ水動M(シテ)。成ル二妄心ノ波ト一。故ニ知テ二妄心ノ |