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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0057A01: を信ずるなり。右のたとへにあはせてみるべし。●
Z08_0057A02: (四四)聖道とは。淨土宗ならぬ他門の事なり。大乘聖
Z08_0057A03: 道門を修行する人は。初心の時より。た▲心性の珠を
Z08_0057A04: みがきて。本有の理をあらはさんとす。されば卽心卽
Z08_0057A05: 佛と觀じつめて。他力往生をいやしむるなり。眞言に
Z08_0057A06: は父母所生身。速證大覺位とをしへ。禪家には直指人
Z08_0057A07: 心。見性成佛としめし。天台には煩惱卽菩提。生死卽𣵀
Z08_0057A08: 槃と觀じ。華嚴には初發心時。便成正覺と談ず。いづ
Z08_0057A09: れも。極佛のおもひをなし。その觀解。高々として佛祖
Z08_0057A10: の頂をふむなり。云云○極佛とは。妙覺果滿の位なり。
Z08_0057A11: ○あなうらとは。倭名抄。◎說文云。足下也和名阿奈
Z08_0057A12: 宇良。○おとしめたりとは。いやしめきらふなり。定家卿
Z08_0057A13: のかな遣には。減の字なり。源氏の抄には。陷の字也。○
Z08_0057A14: 聖辨師。於土中。轉M(シテ)。故
Z08_0057A15: 。爲之道ナリ。道ナリ淨土風航鈔釋解第一。允堪
Z08_0057A16: 眞鈔。修行トハ應法師曰。行下孟切。施スヲ之名
Z08_0057A17: 。卽造修也。已上●(四五)鈍根無智とは。その性鈍
Z08_0057A18: にして。ならへる觀智もなきをいふなり。緣とは。佛
Z08_0057A19: 力の增上緣なり。運穢方につくすとは。三界の道。
Z08_0057A20: あとたゆる義なり。○西方要決。興少學之軍
Z08_0057B01: 。運穢方已上弘決。運者動也。今攝M(シテ)
Z08_0057B02: 。令佛運已上又云。業相是能運。生死是所
Z08_0057B03: ナリ。載スル生死之輪ナレハ。名生死輪已上風航鈔釋
Z08_0057B04: 。若-擧スレハ自身。則不-重スルヿ。如
Z08_0057B05: 德光論師。不上レ慈尊等是也。故-下M(シテ)自身
Z08_0057B06: 。次-順他力授受已上●(四六)これ聖道初
Z08_0057B07: 心の人の。自力をはげみて。慢擧するにたとふ。あや
Z08_0057B08: しきとは。いやしき義なり。あやしのしづ山がつとい
Z08_0057B09: ふ。●(四七)これは淨土門に。いかなる智者學匠まで
Z08_0057B10: も。彌陀を主人として。我身を卑下するにたとふ。○
Z08_0057B11: いみじとは。義の字にてすぐれたる義なり。○やつこ
Z08_0057B12: は。奴の字にて下部の事なり。○へるとは。謙の字に
Z08_0057B13: て。へりくだるなり。●(四八)史記。且トスルト
Z08_0057B14: 。與トセ於人。制スルト。與於人
Z08_0057B15: 豈可ンヤ同日ニM(シテ)哉。已上●(四九)聖道の學者は。自の
Z08_0057B16: 三學にほこりて身をたかくし。淨土の行人は。他力
Z08_0057B17: をたのみてわが身を卑下するなり。鎌倉宗要
Z08_0057B18: スルヿ自身罪惡者。諸敎之中未此信。唯有
Z08_0057B19: 。顯本有。謂衆生心法。有眞有妄。
Z08_0057B20: 無明風吹。眞心水動M(シテ)。成妄心。故妄心

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