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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0030A01: をよくよく心え給はせよ。(七〇)たとへば人のおや
Z08_0030A02: の。とがある子をあはれむ。をかすところ(犯所)をい
Z08_0030A03: ましめざるにあらず。いましむれども。又すつる事な
Z08_0030A04: きがごとし。(七一)彌陀の本願。罪人をすくふ。つみを
Z08_0030A05: にくまざるにはあらず。にくみながらすて給はざる
Z08_0030A06: こそ。わりなき(無別)慈悲にては侍るめれ。(七二)され
Z08_0030A07: ばそのお(を)もむきを心えて。ふるま(擧止)はん
Z08_0030A08: 人ぞ。わろ〱(惡女)も佛の御心には。かなひ侍るべ
Z08_0030A09: き。(七三)法然上人の御おしへには。(七四)十惡五逆も
Z08_0030A10: 往生すと信じて。すこしのつみをも。おかさじとおも
Z08_0030A11: へ。重罪なをうまる。いはんや小罪をやとの給へり。
Z08_0030A12: (七五)十惡五逆も往生すと信ぜよといふは。にくみな
Z08_0030A13: がら。すて給はぬ御心をしるなり。(七六)すこしのつ
Z08_0030A14: みをも。をかさじと思へといふは。すてねどもにくみ
Z08_0030A15: 給ふ事を。つ〻しまんためなり。(七七)にくみながら。す
Z08_0030A16: てたまはずとしりぬれば。重罪なりとも。うまれん事
Z08_0030A17: うたがひなし。(七八)すてねどもにくみ給ふぞかしと
Z08_0030A18: しりて。つみをおそる〻時は。いはんや小罪をやと。い
Z08_0030A19: よ〱たのもし。(七九)げにも。にくみてすて給は▲。
Z08_0030A20: 超世の悲願かひ(甲斐)な(無)かるべし。我らなにを
Z08_0030B01: かたのみとせん。(八〇)すてたまはねばとて。つ〻し
Z08_0030B02: まずば。あま(餘)りにあや(文)に(惡)源語。くなるこ〻ろ
Z08_0030B03: なり。(八一)か〻らんひが〱(僻)し源語。さをぞ。佛
Z08_0030B04: もかへりてうと見給ふべき。(八二)さればとて。つみを
Z08_0030B05: こと〲くやめてこそといはんも。又ふぜい(風情)す
Z08_0030B06: (過)ぎたり。(八三)なにとしても。五濁の凡夫のくせな
Z08_0030B07: れば。四儀の作罪と▲まるべきにあらず。(八四)たとひ
Z08_0030B08: わづかにきよき心をおこせども。水にゑがくごとし。
Z08_0030B09: 貪瞋のなみ。みなぎ(漲)りきた(來)りて。しばらくも
Z08_0030B10: やむ事なし。(八五)すでに煩惱のみなもと(源)をた〻
Z08_0030B11: ず。(不斷)いかでか罪業のながれをやめん。(八六)た▲わ
Z08_0030B12: ろしとしり。あさましとおもふ心(意)ばせ(景迹)ま
Z08_0030B13: でを。申すにてこそあれ。(八七)ねん(念)じかねてあや
Z08_0030B14: まりたらんおりは。それぞかし。たすけ給へ。南無阿
Z08_0030B15: 彌陀佛とおもふべかめるも。(八八)か〻るを隨犯隨
Z08_0030B16: 懺の念佛とはいふなり。(八九)罪垢こと〲くきえ(消)
Z08_0030B17: て。身つねに淸淨ならん。(九〇)臨終の時。罪人惡人の
Z08_0030B18: 名をあらためて。來迎のほとけ。善男善女とほめ給ふ
Z08_0030B19: べし。(九一)さてもな。これほどに福薄因疎の機。識癡
Z08_0030B20: 行淺の身として。すみやかに。あと(跡)を娑婆にとを

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