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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0637A01: 衆あるひはあからさまにたちいで。あるひは休息し
J16_0637A02: などして。ただ勢觀房一人障子のほかにてきき給け
J16_0637A03: れは。女房のこゑにて。いましばしとこそおもひた
J16_0637A04: まふるに。御往生ちかづきて侍らんこそ。無下に心
J16_0637A05: ぼそく侍れ。さても念佛の法門など御往生ののちに
J16_0637A06: はたれにか申をかれ侍らんと申さるれは。上人こた
J16_0637A07: へ給はく。源空か所存は。選擇集にのせ侍り。これ
J16_0637A08: にたがはず申さんものそ。源空か義をつたへたるに
J16_0637A09: て侍へきと。云云そののちしはし御ものがたりありて
J16_0637A10: かへり給。その氣色ただびとともおぼえざりけり。
J16_0637A11: さる程に僧衆など。かへりまいれりけれは。勢觀房。
J16_0637A12: ありつる車の行衛おぼつかなくおぼえて。をひつき
J16_0637A13: て見いれんとし給に。河原へ車をやりいだして。北
J16_0637A14: をさしてゆくが。かきけつやうに見えすなりにけり。
J16_0637A15: あやしき事かぎりなし。
J16_0637A16: ●ササキ野ハ山州記ニ佐佐木野ハ氏神ノ社大宮殿ト號スノ南見苦野ノ東也昔賀茂ノ神主佐佐木資保ト云人此所ニ住スト花鳥ニ資雅卿
J16_0637B17: ハ宇多源氏佐佐木野ト云蹴鞠ノ家也ト
J16_0637B18: ●ササキ野ハ佐佐木野ト書リ地理ノ部ニ注セリ●
J16_0637B19: 御病中ハ九卷傳ニ廿二日トアリ●カキケツヤウニ
J16_0637B20: 見エズナリニケリトハ當時下賀茂ノ入口ニ房ガ死
J16_0637B21: ト云芝野アリ南北百餘間東西七八十間計ト相見ユ
J16_0637B22: 父老相傳云法然上人御入滅ノ比ニ及テ貴女見參ノ
J16_0637B23: 事マシマシケルニ御車ノ歸處ユカシトテ勢觀房跡
J16_0637B24: ヲ見ヲクリ給ケレド終ニ見失ヘリ又傍ニ侍ル僧カ
J16_0637B25: ノ御車ノ行ヱヲシタヒ來テ此處ニテ追付奉リヌス
J16_0637B26: デニ御車ニ近付テ貴女ノ御有樣ホノ見入奉ルト聞
J16_0637B27: エケルトナンサル程ニ彼貴女ト申ハ賀茂ノ御神ト
J16_0637B28: カヤニテ神慮ノトガメユユシカリケレバ彼御房ハ
J16_0637B29: 此ニテ終ヲトラレヌサレバ此地ハ彼房ノ死ケル處
J16_0637B30: ナレバトテ忌テ神領トシガタケレバ舊ハ賀茂領ナ
J16_0637B31: リケレド彼時ヨリ社家モ綺ハズナリヌ其後此處ヲ
J16_0637B32: 房之死ト名ヅケテ何方ノ支配トモ定マラズトナ
J16_0637B33: ンイヘリ近比洪水ニアヒテ居所ヲ失ケル者家居シ

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