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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0540A01: 守。ふかくこれをなげきて。遼遠のさかひなりとい
J16_0540A02: へとも。武藏國より讃岐國へ書狀を進ずるとき。上
J16_0540A03: 人の御返事云。七月十四日の御消息。八月廿一日に
J16_0540A04: 見候ぬ。はるかのさかひに。かやうに仰られて候御
J16_0540A05: こころざし。申つくすべからす候。まことにしかる
J16_0540A06: べき事にて。かやうに候。とかく申はかりなく候。
J16_0540A07: 但今生の事は。これにつけてもわれも人もおもひし
J16_0540A08: るべき事にて候。いとひてもいとはんと思食へく
J16_0540A09: 候。けふあすともしり候はぬ身に。かかるめを見
J16_0540A10: 候。心うき事にて候へとも。さればこそ穢土のなら
J16_0540A11: ひにては候へ。ただとくとく往生をせばやとこそ思
J16_0540A12: 候へ。たれもこれを。遺恨の事などは。ゆめにも思
J16_0540A13: 食へからす候。しかるべき身の宿報と申。又穢惡充
J16_0540A14: 滿のさかひ。これにはじめぬ事に候へは。なに事に
J16_0540A15: つけても。ただいそきいそき往生をしてんと思へき
J16_0540A16: ことに候。云云御文のおもむき。よにあはれにぞおぼ
J16_0540A17: え侍る。
J16_0540B18: 畫圖
J16_0540B19: ●遼遠ハ第三十三卷ニ見ヘタリ●シカルヘキ事ニ
J16_0540B20: テトハカクナウテ叶ハヌ因縁ニテトナリ第二卷ニ
J16_0540B21: 注ス
J16_0540B22: 直聖房といふ僧ありき。上人の弟子となりて。一向
J16_0540B23: 專念の行を修す。あるとき熊野山へまいりたりける
J16_0540B24: に。上人の配流せられ給よしをききて。いそぎ下向
J16_0540B25: せんとしけるに。にはかに重病をうけて。下向かな
J16_0540B26: はざりければ。ねんごろに權現にいのり申けるに。
J16_0540B27: かの僧の夢に。臨終すでにちかづけり。下向しかる
J16_0540B28: べからすとしめし給ひけれは。法然上人の御事あま
J16_0540B29: りにおぼつかなく候へは。はやく下向してうけ給は
J16_0540B30: りたく候と申けれは。かの上人は勢至菩薩の化現な
J16_0540B31: り。不審すへからすと。かさねてしめしおほせらる
J16_0540B32: と見て夢さめぬ。其後いくほどをへずして。臨終正
J16_0540B33: 念にして。往生をとげにけり。
J16_0540B34: ●直聖房未考

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