浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0540A01: | 守。ふかくこれをなげきて。遼遠のさかひなりとい |
J16_0540A02: | へとも。武藏國より讃岐國へ書狀を進ずるとき。上 |
J16_0540A03: | 人の御返事云。七月十四日の御消息。八月廿一日に |
J16_0540A04: | 見候ぬ。はるかのさかひに。かやうに仰られて候御 |
J16_0540A05: | こころざし。申つくすべからす候。まことにしかる |
J16_0540A06: | べき事にて。かやうに候。とかく申はかりなく候。 |
J16_0540A07: | 但今生の事は。これにつけてもわれも人もおもひし |
J16_0540A08: | るべき事にて候。いとひてもいとはんと思食へく |
J16_0540A09: | 候。けふあすともしり候はぬ身に。かかるめを見 |
J16_0540A10: | 候。心うき事にて候へとも。さればこそ穢土のなら |
J16_0540A11: | ひにては候へ。ただとくとく往生をせばやとこそ思 |
J16_0540A12: | 候へ。たれもこれを。遺恨の事などは。ゆめにも思 |
J16_0540A13: | 食へからす候。しかるべき身の宿報と申。又穢惡充 |
J16_0540A14: | 滿のさかひ。これにはじめぬ事に候へは。なに事に |
J16_0540A15: | つけても。ただいそきいそき往生をしてんと思へき |
J16_0540A16: | ことに候。云云御文のおもむき。よにあはれにぞおぼ |
J16_0540A17: | え侍る。 |
J16_0540B18: | 畫圖 |
J16_0540B19: | ●遼遠ハ第三十三卷ニ見ヘタリ●シカルヘキ事ニ |
J16_0540B20: | テトハカクナウテ叶ハヌ因縁ニテトナリ第二卷ニ |
J16_0540B21: | 注ス |
J16_0540B22: | 直聖房といふ僧ありき。上人の弟子となりて。一向 |
J16_0540B23: | 專念の行を修す。あるとき熊野山へまいりたりける |
J16_0540B24: | に。上人の配流せられ給よしをききて。いそぎ下向 |
J16_0540B25: | せんとしけるに。にはかに重病をうけて。下向かな |
J16_0540B26: | はざりければ。ねんごろに權現にいのり申けるに。 |
J16_0540B27: | かの僧の夢に。臨終すでにちかづけり。下向しかる |
J16_0540B28: | べからすとしめし給ひけれは。法然上人の御事あま |
J16_0540B29: | りにおぼつかなく候へは。はやく下向してうけ給は |
J16_0540B30: | りたく候と申けれは。かの上人は勢至菩薩の化現な |
J16_0540B31: | り。不審すへからすと。かさねてしめしおほせらる |
J16_0540B32: | と見て夢さめぬ。其後いくほどをへずして。臨終正 |
J16_0540B33: | 念にして。往生をとげにけり。 |
J16_0540B34: | ●直聖房未考 |