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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0529A01: 圓光大師行狀畵圖翼贊卷三十四
J16_0529A02:
J16_0529A03: 事義
J16_0529A04:
J16_0529A05: 傳本第三十四
J16_0529A06: 三月十六日に。花洛をいでで夷境におもむき給に。
J16_0529A07: 信濃國の御家人。角張の成阿彌陀佛。力者の棟梁と
J16_0529A08: して。最後の御ともなりとて御輿をかく。おなしさ
J16_0529A09: まにしたがひたてまつる僧六十餘人なり。
J16_0529A10: ●三月十六日ハ土御門院建永二年ナリ承元ト改ム●信濃國角張ハ郡鄕未考
J16_0529A11: ●夷境ハ邊土ノヱビス國ナリ●成阿ハ九卷傳ニ角
J16_0529A12: 張ハ俗姓モイヤシカラス王家ヲマモリ朝敵ヲ平ク
J16_0529A13: トイヘトモ本師上人ニ仕テ奴トナリ僕トナルト十
J16_0529A14: 卷傳ニハ淸和後胤六孫王苗裔伊州玄孫ナレドモト
J16_0529A15: 云リ●力者ハ今三井ノ專當山門ノ供人ナド云妻帶
J16_0529A16: 法師ノ神輿ナド舁或ハ威儀メキタル法席ニ臨テハ
J16_0529A17: 兵杖ナト持テ警固スル者ヲ云ナリ承仕法師ト云モ
J16_0529B18: 此類ナリ又天子ノ御駕輿丁ヲモ力者ト云事アリ●
J16_0529B19: オナシサマニシタカヒトハ角張ト同樣ニナリ
J16_0529B20: をよそ上人の一期の威儀は。馬車輿などにのり給は
J16_0529B21: ず。金剛草履にて步行し給き。しかれとも老邁のう
J16_0529B22: へ。長途たやすからざるによりて乘輿ありけるに
J16_0529B23: こそ。御なごりをおしみ。前後左右にはしりしたが
J16_0529B24: ふ人幾千萬といふ事をしらす。貴賤のかなしむこゑ
J16_0529B25: ちまたにみち。道俗のしたふ涙地をうるほす。かれ
J16_0529B26: らをいさめ給けることはには。驛路はこれ大聖のゆ
J16_0529B27: く所也。漢家には一行阿闍梨。日域には伇優婆塞。
J16_0529B28: 謫居は又權化のすむ所也。震旦には白樂天。吾朝に
J16_0529B29: は菅丞相なり。在纒出纒みな火宅なり。眞諦俗諦し
J16_0529B30: かしなから水驛なりとぞおほせられける。さて禪定
J16_0529B31: 殿下。土佐國まてはあまりにはるかなる程なり。わ
J16_0529B32: が知行の國なればとて。讃岐國へぞうつしたてまつ
J16_0529B33: られける。御なごりやるかたなくおほしめされける
J16_0529B34: にや。禪閤御消息を送られけるに。

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