浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0174A01: | 人前而爲説法示敎利喜天台大師法華三昧行法一 |
J16_0174A02: | 卷ヲ記シテ其方軌ヲ示シ給ヘリマノアタリハ眼ノ |
J16_0174A03: | 字親ノ字白氏文集面ノ字華嚴偈ナリ●叡山ノ千光院ハ智證 |
J16_0174A04: | 大師ノ住房ナリシ山王明神影向マシマシテ受戒ア |
J16_0174A05: | リシ故ニ其座ヲ留テ山王明神ノ座トイヘリ又ソノ |
J16_0174A06: | 房ヲ呼テ山王院トソ號セシ釋書カカル事ヲハ上代ニ |
J16_0174A07: | サヘ類ナキ事ニシケリ末代ニ及テ神明形ヲ現シタ |
J16_0174A08: | マフコト實ニ不思議ナリトソ |
J16_0174A09: | 上人黑谷にして。華嚴經を講じ給けるに。あをき小 |
J16_0174A10: | ぐちなは。机のうへにありけるを。法蓮房信空に。 |
J16_0174A11: | とりてすつべきよし。おほせられけれは。かの法蓮 |
J16_0174A12: | 房。かぎりなく。くちなはに。をづる人なりけれど |
J16_0174A13: | も。師の命そむきがたきによりて。出文机の明障子 |
J16_0174A14: | を。あけまふけて。ちりとりにはきいれて。なげす |
J16_0174A15: | てて。障子をたててけり。さてかへりて見れば。く |
J16_0174A16: | ちなは。なをもとのところにありけり。これを見る |
J16_0174A17: | に。遍身にあせいでて。おそろしかりけり。上人見 |
J16_0174B18: | 給て。などどりてはすてられぬぞと。仰せられけれ |
J16_0174B19: | は。法蓮房しかしかとこたへ申さるるに。上人默然 |
J16_0174B20: | として。物ものたまはざりけり。其夜法蓮房の夢 |
J16_0174B21: | に。大龍かたちを現じて。我はこれ華嚴經を。守護 |
J16_0174B22: | するところの龍神なり。おそるる事なかれ。といふ |
J16_0174B23: | とおもひて。ゆめさめにけり。むかしこの經龍宮に |
J16_0174B24: | ありて。人間に流布せず、龍樹菩薩。龍宮にゆきて。 |
J16_0174B25: | これをひらき見て。人間にかへりて。これをひろめ |
J16_0174B26: | 給き。そののち覺賢三藏。震旦にして。安帝義熙十 |
J16_0174B27: | 四年三月十日より。楊州謝司空寺に。護淨華嚴法堂 |
J16_0174B28: | をたてて。華嚴經を譯し給しとき。堂のまへの蓮華 |
J16_0174B29: | 池より。毎日に靑衣なる二人の童子。あしたにいで |
J16_0174B30: | でちりをはらひ。すみをすり。くるれば。いけの底 |
J16_0174B31: | へなん。かへり入ける。經を譯し。をはりてのちは。 |
J16_0174B32: | 見えずなりにけり。この經ひさしく龍宮にありしゆ |
J16_0174B33: | へに。龍神うやまひて。守護をくはへ侍けるにこ |
J16_0174B34: | そ。上人の披講まこといたりて。龍神を感ぜしめた |