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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0174A01: 人前而爲説法示敎利喜天台大師法華三昧行法一
J16_0174A02: 卷ヲ記シテ其方軌ヲ示シ給ヘリマノアタリハ眼ノ
J16_0174A03: 字親ノ字白氏文集面ノ字華嚴偈ナリ●叡山ノ千光院ハ智證
J16_0174A04: 大師ノ住房ナリシ山王明神影向マシマシテ受戒ア
J16_0174A05: リシ故ニ其座ヲ留テ山王明神ノ座トイヘリ又ソノ
J16_0174A06: 房ヲ呼テ山王院トソ號セシ釋書カカル事ヲハ上代ニ
J16_0174A07: サヘ類ナキ事ニシケリ末代ニ及テ神明形ヲ現シタ
J16_0174A08: マフコト實ニ不思議ナリトソ
J16_0174A09: 上人黑谷にして。華嚴經を講じ給けるに。あをき小
J16_0174A10: ぐちなは。机のうへにありけるを。法蓮房信空に。
J16_0174A11: とりてすつべきよし。おほせられけれは。かの法蓮
J16_0174A12: 房。かぎりなく。くちなはに。をづる人なりけれど
J16_0174A13: も。師の命そむきがたきによりて。出文机の明障子
J16_0174A14: を。あけまふけて。ちりとりにはきいれて。なげす
J16_0174A15: てて。障子をたててけり。さてかへりて見れば。く
J16_0174A16: ちなは。なをもとのところにありけり。これを見る
J16_0174A17: に。遍身にあせいでて。おそろしかりけり。上人見
J16_0174B18: 給て。などどりてはすてられぬぞと。仰せられけれ
J16_0174B19: は。法蓮房しかしかとこたへ申さるるに。上人默然
J16_0174B20: として。物ものたまはざりけり。其夜法蓮房の夢
J16_0174B21: に。大龍かたちを現じて。我はこれ華嚴經を。守護
J16_0174B22: するところの龍神なり。おそるる事なかれ。といふ
J16_0174B23: とおもひて。ゆめさめにけり。むかしこの經龍宮に
J16_0174B24: ありて。人間に流布せず、龍樹菩薩。龍宮にゆきて。
J16_0174B25: これをひらき見て。人間にかへりて。これをひろめ
J16_0174B26: 給き。そののち覺賢三藏。震旦にして。安帝義熙十
J16_0174B27: 四年三月十日より。楊州謝司空寺に。護淨華嚴法堂
J16_0174B28: をたてて。華嚴經を譯し給しとき。堂のまへの蓮華
J16_0174B29: 池より。毎日に靑衣なる二人の童子。あしたにいで
J16_0174B30: でちりをはらひ。すみをすり。くるれば。いけの底
J16_0174B31: へなん。かへり入ける。經を譯し。をはりてのちは。
J16_0174B32: 見えずなりにけり。この經ひさしく龍宮にありしゆ
J16_0174B33: へに。龍神うやまひて。守護をくはへ侍けるにこ
J16_0174B34: そ。上人の披講まこといたりて。龍神を感ぜしめた

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