浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0162A01: | 三歳ノ時ハ承安五年ニ當レリ釋書ハ年代相違セリ |
J16_0162A02: | 十六門記九卷傳等ミナ承安五年トアリ |
J16_0162A03: | ある時上人往生の業には。稱名にすきたる行。ある |
J16_0162A04: | べからずと申さるるを。慈眼房は。觀佛すぐれたる |
J16_0162A05: | よしをの給ければ。稱名は。本願の行なるゆへに。 |
J16_0162A06: | まさるべきよしをたて申たまふに。慈眼房又先師良 |
J16_0162A07: | 忍上人も。觀佛すぐれたりとこそおほせられしか。 |
J16_0162A08: | との給けるに。上人。良忍上人も。さきにこそむま |
J16_0162A09: | れ給たれと申されけるとき。慈眼房腹立したまひけ |
J16_0162A10: | れは。善導和尚も。上來雖説定散兩門之益望佛本願 |
J16_0162A11: | 意在衆生一向專稱彌陀佛名。と釋したまへり。稱名 |
J16_0162A12: | すくれたりといふこと。あきらかなり。聖敎をはよ |
J16_0162A13: | くよく御覽し給はでとぞ申されける。 |
J16_0162A14: | 畫圖 |
J16_0162A15: | ●アル時トハ一書云治承二年十月上旬上人黑谷ヘ |
J16_0162A16: | 御參アテ叡空ニ御對面ノ時此問答アリシ同三年二 |
J16_0162A17: | 月叡空上人入寂シ給ト按スルニ治承ノ比ハ吉水ノ |
J16_0162B18: | 御房ニオハシテ念佛ノ弘通日ニ隨テ盛ニ諸人歸ス |
J16_0162B19: | ルモノ雲霞ノ如ナル時ナリシカレハ治承已前ノコ |
J16_0162B20: | トナルヘシ |
J16_0162B21: | 上人一向專修の身となり給にしかは。つゐに四明の |
J16_0162B22: | 巖洞をいでで。西山の廣谷といふころに。居をしめ |
J16_0162B23: | 給き。いくほどなくて。東山吉水のほとりに。しづ |
J16_0162B24: | かなる地ありけるに。かの廣谷のいほりを。わたし |
J16_0162B25: | て。うつりすみ給。たづねいたるものあれは。淨土 |
J16_0162B26: | の法をのべ。念佛の行をすすめらる。化導日にした |
J16_0162B27: | がひて。さかりに。念佛に歸するもの。雲霞のこと |
J16_0162B28: | し。そののら。賀茂の河原屋は・小松殿・勝尾寺・大 |
J16_0162B29: | 谷など。その居あらたまるといへとも。勸化をこた |
J16_0162B30: | ることなし。つゐにほまれ一朝にみち。益四海にあ |
J16_0162B31: | まねし。これ彌陀の一敎。わがくにに縁ふかく。念 |
J16_0162B32: | 佛の勝行。末法に相應するゆへなるへし。大谷は。 |
J16_0162B33: | 上人往生の地なり。かの跡いまにあり。東西三丈餘。 |
J16_0162B34: | 南北十丈はかり。このうちにたてられけん。坊舍い |