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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0154A01: ナリ釋書云八宗外涉佛心宗於九敎相粗得幽
J16_0154A02: 云云
J16_0154A03: 圓頓戒談義のとき。成覺房幸西尋ていはく。この戒
J16_0154A04: は諸法の至極をもて戒體とす。然るに山王院の大
J16_0154A05: 師。諸法の至極を禪とすとの給へり。もししからば
J16_0154A06: 禪門と。この戒體と合すやいなやと。上人决し給は
J16_0154A07: く。これは敎内の理法なり。かれは修心の敎外也。
J16_0154A08: なにをもてか合すとせん。得禪の人この戒をとか
J16_0154A09: は。いよいよ正理にかなふへし。禪人敎をとけば敎
J16_0154A10: 文禪にしたがふ、敎人禪をとけば。禪門敎にしたが
J16_0154A11: ふ。をよそ眞言止觀をもて。禪を推べきにあらず。
J16_0154A12: いはんや法相三論をや。いかにいはんや自餘の小乘
J16_0154A13: の宗をやと。さらにこれ敎者の詞にあらす。まこと
J16_0154A14: に繩みじかくしては。深泉にいたりがたく。翅よは
J16_0154A15: くしては。大虚にかけることなし。智あさく心つた
J16_0154A16: なくして。宗門に達することあらんや。されは禪の
J16_0154A17: 宗旨を論ぜられたる。上人自筆の書いまにあり。末
J16_0154B18: 學うたがふことなかれ。
J16_0154B19: ●成覺房幸西ハ傳文第二十九卷ニ見エタリ●山王院大師ハ三井開祖智證大師也大師叡山住房千光院有山王明神座或曰山王受戒時座此故呼大師房曰山王院
J16_0154B20: ●諸法ノ至極トハ實相ノ極理ナリ是圓頓一實ノ戒
J16_0154B21: 躰ナリ若權小ノ意ニ依ハ全ク有爲ノ假色ヲ躰トス
J16_0154B22: 彼ハ事理各別ト判シテ無爲ノ眞如ハ所依トハナレ
J16_0154B23: トモ躰性凝然ニシテ縁起ヲ許ササレハ眞如直ニ
J16_0154B24: 體トハナラスト云圓頓大乘ノ意ハ性ニ諸法ヲ具ス
J16_0154B25: 戒モ亦性具ナリサレハ性具ノ戒善性ヲ全シテ起ル
J16_0154B26: 是ヲ戒ト云修起ノ戒善修ヲ全シテ即性是ヲ至極ト
J16_0154B27: 云修性不二ナレハ諸法ノ至極ヲ以テ戒躰トストハ
J16_0154B28: イヘルナリ●山王院ノ大師トハ智證ヲ指スナリ具
J16_0154B29: ニハ寺院ノ部ニ見エタリ凡此釋ノ意ヲ云ハハ實相
J16_0154B30: ハ無相ナリ色ニ非ス形ニ非ス有心ニ非ス無心ニ非
J16_0154B31: ス更ニ分別ノ所測ニアラス亦妄情ノ所度ヲコエタ
J16_0154B32: リ是ヲ名ケテ法性トシ是ヲ稱シテ心源ト云ヒ又諸

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