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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0140A01: に。阿性房をあひぐして。むかひたまへるに。法橋
J16_0140A02: まづ左右なく申いたす樣は、弘法大師の十住心は。
J16_0140A03: 華嚴宗によりてつくり給へり。この旨を御室に申と
J16_0140A04: ころに。興あることなり。はやく勘申べきよし。お
J16_0140A05: ほせをかうふるあひた。このほとかんがへ侍なりと
J16_0140A06: 申とき。初對面なればさてもあるへけれども。學問
J16_0140A07: のならひは。默止がたくおもはれけるによりて上人
J16_0140A08: の給けるは。なにしにかは華嚴宗にはより侍へき大
J16_0140A09: 日經の住心品の心をもて。つくられたるにてこそ侍
J16_0140A10: れ。第六の他縁大乘心は。法相宗の意なり。第七の
J16_0140A11: 覺心不生心は。三論宗也。第八の一道無爲心は。天
J16_0140A12: 台宗なり。第九の極無自性心は。華嚴宗なり。第十
J16_0140A13: の秘密莊嚴心は。眞言宗なりとて。はじめ異生羝羊
J16_0140A14: 心より。をはり秘密莊嚴心まで。をのをの偈を誦し
J16_0140A15: て。一一にその道理を釋しのべ給て。淺深をたて。
J16_0140A16: 勝劣を判ずることをは。諸宗をのをの難をくはへ不
J16_0140A17: 受し申なり。天台宗に難し申樣はなど。くはしく釋
J16_0140B18: しのへられ。又華嚴宗の自解の樣をこまかに申のへ
J16_0140B19: 給に。法橋これをききて。阿性房の縁に侍るをよび
J16_0140B20: て。これはききたまふか。これかやうに心得えてん
J16_0140B21: に。往生し損じてんやと感歎して。われこの宗を相
J16_0140B22: 承すといへども。かくのことく分明ならず。上人自
J16_0140B23: 解の法門をきくに。下愚處處の不審をひらく。他宗
J16_0140B24: 推度の智惠。自宗相傳の義理にこえ給へりとて。隨
J16_0140B25: 喜感歎はなはだし。かくのことくして、たかひに法
J16_0140B26: 談數尅の後。この宗の血脉にいり侍ばやと。上人の
J16_0140B27: たまへは。慶雅がうへにやと。法橋申さるる間。い
J16_0140B28: かがさることは侍べき。華嚴宗をば。ことさら傳受
J16_0140B29: したてまつらんと。存ずるなりと申されければ。血
J16_0140B30: 脉ならびに華嚴宗の書籍。少少わたしたてまつり
J16_0140B31: ぬ。さてかの法橋最後には上人を招請して。戒をう
J16_0140B32: け二字をたてまつる。戒の布施には。圓宗文類とい
J16_0140B33: ふ。二十餘卷の文をとりいたして。慶雅はこのほか
J16_0140B34: は。もちたるもの侍らず。上人もことものをは。な

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