浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0140A01: | に。阿性房をあひぐして。むかひたまへるに。法橋 |
J16_0140A02: | まづ左右なく申いたす樣は、弘法大師の十住心は。 |
J16_0140A03: | 華嚴宗によりてつくり給へり。この旨を御室に申と |
J16_0140A04: | ころに。興あることなり。はやく勘申べきよし。お |
J16_0140A05: | ほせをかうふるあひた。このほとかんがへ侍なりと |
J16_0140A06: | 申とき。初對面なればさてもあるへけれども。學問 |
J16_0140A07: | のならひは。默止がたくおもはれけるによりて上人 |
J16_0140A08: | の給けるは。なにしにかは華嚴宗にはより侍へき大 |
J16_0140A09: | 日經の住心品の心をもて。つくられたるにてこそ侍 |
J16_0140A10: | れ。第六の他縁大乘心は。法相宗の意なり。第七の |
J16_0140A11: | 覺心不生心は。三論宗也。第八の一道無爲心は。天 |
J16_0140A12: | 台宗なり。第九の極無自性心は。華嚴宗なり。第十 |
J16_0140A13: | の秘密莊嚴心は。眞言宗なりとて。はじめ異生羝羊 |
J16_0140A14: | 心より。をはり秘密莊嚴心まで。をのをの偈を誦し |
J16_0140A15: | て。一一にその道理を釋しのべ給て。淺深をたて。 |
J16_0140A16: | 勝劣を判ずることをは。諸宗をのをの難をくはへ不 |
J16_0140A17: | 受し申なり。天台宗に難し申樣はなど。くはしく釋 |
J16_0140B18: | しのへられ。又華嚴宗の自解の樣をこまかに申のへ |
J16_0140B19: | 給に。法橋これをききて。阿性房の縁に侍るをよび |
J16_0140B20: | て。これはききたまふか。これかやうに心得えてん |
J16_0140B21: | に。往生し損じてんやと感歎して。われこの宗を相 |
J16_0140B22: | 承すといへども。かくのことく分明ならず。上人自 |
J16_0140B23: | 解の法門をきくに。下愚處處の不審をひらく。他宗 |
J16_0140B24: | 推度の智惠。自宗相傳の義理にこえ給へりとて。隨 |
J16_0140B25: | 喜感歎はなはだし。かくのことくして、たかひに法 |
J16_0140B26: | 談數尅の後。この宗の血脉にいり侍ばやと。上人の |
J16_0140B27: | たまへは。慶雅がうへにやと。法橋申さるる間。い |
J16_0140B28: | かがさることは侍べき。華嚴宗をば。ことさら傳受 |
J16_0140B29: | したてまつらんと。存ずるなりと申されければ。血 |
J16_0140B30: | 脉ならびに華嚴宗の書籍。少少わたしたてまつり |
J16_0140B31: | ぬ。さてかの法橋最後には上人を招請して。戒をう |
J16_0140B32: | け二字をたてまつる。戒の布施には。圓宗文類とい |
J16_0140B33: | ふ。二十餘卷の文をとりいたして。慶雅はこのほか |
J16_0140B34: | は。もちたるもの侍らず。上人もことものをは。な |