浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0722A01: | を自慢する氣ならはやはり捨てぬかよき也其次の住 |
J09_0722A02: | 持職の人人も同し事也○この世さまにもとは世間な |
J09_0722A03: | みの人もうるさく思ふ也○心のいろとは心に色は無 |
J09_0722A04: | きものなれとも心に思ふ處をしはらく色と云へり古 |
J09_0722A05: | 歌にも『心のいろをいかであかさん』なと云へり○と |
J09_0722A06: | りなしてとは其の名利を捨てたるをやかてとりなを |
J09_0722A07: | して也○さとりあさきとは世間の人の中にも至つて |
J09_0722A08: | 愚なる人はと云ふ也○心のそこをはしらすとは其の |
J09_0722A09: | 世間を捨つる人の心の底を知らす貴むと也○本意に |
J09_0722A10: | おもひてとは彼の世間を捨つる人の思ひ樣也○幽な |
J09_0722A11: | るすみかをとは山中へ引籠る本意は心を澄して佛道 |
J09_0722A12: | を修行せんか爲め也爾るに此人は唯人の尋來らんと |
J09_0722A13: | 思ふ也○ためとしもとはしの字はやすめ言は也○た |
J09_0722A14: | つねきたらん人とはもしや尋ねきたらん人も有らん |
J09_0722A15: | と心の内に待ち思ふ也上におのつからと云へるは自 |
J09_0722A16: | 然と尋來らんと云ふの氣味也天台の隆堯は江州金勝 |
J09_0722A17: | 寺の谷に草庵を結ひて『世のうさにかへぬる山の隱 |
J09_0722B18: | 家を問はぬは人の情なりけり』と讀めり此の心こそ |
J09_0722B19: | 實にあらまほしけれ○もしはつたへきかん人とは是 |
J09_0722B20: | も亦おろかなる心なり傳へきき思はんことをこのむ |
J09_0722B21: | は偏に他のほまれを求む此れ名を釣るの人也兼好か |
J09_0722B22: | 云へるつらつら思へは譽を愛する人の聞をよろこふ |
J09_0722B23: | なりほむる人そしる人ともに世にととまらず傳へき |
J09_0722B24: | かん人又又すみやかに去へし誰をかはち誰にかしら |
J09_0722B25: | れん事をねかはんや譽はまた毀のもとなり身の後の |
J09_0722B26: | 名殘りて更に益なしと徒然草上三十八段○まかきのうち等とは |
J09_0722B27: | 本より虚假を地盤とする人なるか故に庭のしつらひ |
J09_0722B28: | なと殊勝に拵へたる也○罪の事もとは慚愧懺悔の意 |
J09_0722B29: | なく唯茶の湯者の岩や木なとを直す樣のこと計り思 |
J09_0722B30: | ふ也扨箇樣なることは中分已上の人或は出家遁世者 |
J09_0722B31: | などに多く有ることなり至つてしほらしき上上の虚 |
J09_0722B32: | 假也○四十二丁又世をそむきたる人こそとは是れより已 |
J09_0722B33: | 下の意は如上意はへなれは中人已上は名聞も有る |
J09_0722B34: | へし夫より下は名聞有るへからすと思ふか故に又是 |