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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0702A01: 懷なれは是れ亦出世の本懷也爾るに法華の方便品所
J09_0702A02: 説の唯以一大事因縁故出現於世の文有る故に聖道家
J09_0702A03: の人は不許也されとも法華は開權顯實の旨を以て
J09_0702A04: 對爾前本懷を募るなれとも尚是れ機情悟解の一乘
J09_0702A05: 也但し一大事の言詞に依て本意と云はは般若にも如
J09_0702A06: 是甚深般若波羅蜜多以大事故出現於世と稱讃淨土經
J09_0702A07: には我觀如是利益安樂大事因縁説誠諦實語と尚ほ宗
J09_0702A08: 旨に穿鑒あること也○次に廻向發願心とは平生修する
J09_0702A09: 處の念佛は外の爲めには非す唯極樂淨土に廻向する
J09_0702A10: 也常常念佛の數多き者は臨終に賑賑しく本覺の都へ
J09_0702A11: 入府する也扨此の廻向心は人毎に具し易きこと也學
J09_0702A12: 文せねは具せぬと云ことには非す念佛者は自ら具す
J09_0702A13: る也何として人ことに具するそと云ふ時下に段段あ
J09_0702A14: り○國土の快樂とは七寳の莊嚴自然の快樂也常常も
J09_0702A15: 聞く處又直に當麻の曼陀羅を拜むなり○そもそも等
J09_0702A16: とは先つ極樂は報身報土也其の土へは何なる人か往
J09_0702A17: くそと云とき是を世間て云へは大名衆には家老用人
J09_0702B18: 御側衆御近習なとと段段に其役の次第て座敷か異る
J09_0702B19: 也其の報身報土は殿樣の御座の間なり其殿樣の御座
J09_0702B20: へは右の衆中は參れとも其の下下は往くことならぬ
J09_0702B21: 也是を法に就て云へは家老は十地の菩薩用人御側衆
J09_0702B22: なとは八地已上御近衆は初地二地の菩薩也凡夫は鎗
J09_0702B23: 持挾箱持の類なれは上ること叶はす十信に一万劫其
J09_0702B24: れより三賢の位に經初阿僧祇初地の位にならねは
J09_0702B25: 報土得入は叶はさること也爾るに彌陀如來は凡夫の
J09_0702B26: 鎗持迄も攝し入れ玉ふ彼の立地成佛直指人心見性成
J09_0702B27: 佛は此の世に於て悟を開く又人有りて惡しく心得て
J09_0702B28: 此の修行を修すること叶はす故に淨土往生を願ふな
J09_0702B29: とと不可思諸宗の成佛は我宗の往生の異名也と元
J09_0702B30: 祖も仰せられたりされとも究竟の成佛には非す初地
J09_0702B31: の成佛也彼の眞言の父母所生身即証大覺位と云へと
J09_0702B32: も先つは弘法大師計り也此の師も灌頂に入り玉ふと
J09_0702B33: き計り也彼の龍女成佛と云ふも龍女計り也外には無
J09_0702B34: し故に聖道の意は修行難成也扨極樂淨土は初地已

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